029


「ルフィっ!!」

ルフィに近づくサカズキさん。ルフィはもう体力の限界で動けていない。ルフィ…逃げて…お願い…死なないで!置いて行かないで!



サカズキさんはルフィを貫いた。と思ったけど、ルフィじゃない。エースだった。エースがルフィを庇った。


「エース…?」


私はエースに近づいた。
サカズキさんはジンベエが止める。


「クミ…」


ルフィに一通り言葉を伝えたエースは顔だけを私に向けた。
エースはルフィに抱きかかえられ、お腹は血まみれだった。


「エース…エース…エー…ス…」
「クミ、落ち着け…。」
「エース…死なないで…」
「クミ、伝えたいことがあった」
「な…に?」


涙が止まらない。
滝のように流れるっていうのはこれのことだ。と改めて思う。


「クミ、好きだ」
「っ!?」
「ルフィと結婚するってわかっててもよ…気持ちは消えなかった。伝えたかった」
「エー…ス…」
「だから、ルフィ、クミを絶対幸せに…してくれ」
「おう、わかった…」
「エース―…」
「最後に…みんなに伝えてくれ、愛してくれてありがとう」
「エース…?…エース…エース」

「エ―――――――――ス――――――!!」


ルフィの叫び声が頭に残る。
エースの最後の顔はなんだか笑っている気がした。





戦争はまだまだ続く。
ルフィはショックで気を失ってしまった。
私まで気を失うわけにはいかない。
なんとか耐えて、戦争を見守った。
白ひげは堂々と海賊らしく亡くなった。







そして戦争はコビーの言葉とシャンクスの参戦と共に、終わりを迎えた。



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