005


「わっ!」
「驚いた?」
「重いです。離れて下さい」

ぎゅっと、後ろから抱きしめられる。

「あらら、クミちゃん冷たいな」
「クザンさんが冷たいからじゃないですか?」

やっと解放された。まさか抱きしめられるとは思わなかったな。

「クミちゃんはあの麦わらの婚約者だそうだね」
「そっそうですけど…」
「まだ結婚はしてないんだよね?」
「はい」
(おれにもチャンスはあるってことか…)

なにを考えているんだこの人は。私はルフィと結婚するんだから。愛し合ってるんだから。

「じゃ、お腹空いたので…」
「さっき食堂にいたよね?」
「デッデザート食べてなかったので…」
「それは仕方ないね」

危ない、危ない。ほんとに、掴めない人だ。

「じゃ、おれは寝ようかな」
「あなたは何回寝るんですか。」
「怒られちゃったな」

でも、時に優しい人。




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