「……イライラする」
「はぁ…、それ毎日言ってるわよ?」

隣で紅茶を飲むナミに怒られた。おれのために作られた、オレンジジュースを一気のみして、熱い体を冷やす。おれの目線の先には、○○。おれの女だ。

「ルフィも大人になりなさいよ」
「大人ってなんだよ。○○はおれのだ」
「……それを○○に言いなさいよ」
「言ってる、毎日」

大きなため息が自然と漏れる。楽しそうにゾロと話していた○○は、今度はウソップとフランキーとなにかを作っている。楽しそうに笑ってる○○をみておれは、またため息をついた。

「ため息ばっかついてると、副が逃げるわよー」
「もう逃げてる」
「なによ、あんたらしくないわね」
「おれらしくもなくなるだろ、毎日みてたら」
「わからなくもないけど」

なにかを作り終えた○○は、今度はブルックと歌を歌っている。なんでおれんとこに来ねェんだよ。

「あー!!!」
「なによ、急に叫ばないで」
「おれ、○○んとこ行ってくる」

ナミにそう言って、おれは○○のところに向かった。○○は楽しそうにブルックと話してた。

「○○、」
「?、どうしたのルフィ」
「ちょっと来い!!」
「え、ちょっと待って!痛い!!」

○○の手首を強く握り、男部屋に向かう。○○を傷つけたくねェのに、体が勝手に動き出す。男部屋の扉を勢いよく開け、○○をベットに押し倒した。

「ル、ルフィ……?」

○○はおれの顔色を伺うように、おれをみる。少し潤んだ○○の瞳は、少し脅えていた。

「妬かせんなよ」
「え……」

○○の唇に無理矢理キスをする。何回も何回も、おれの気が済むまで、○○の気持ちも考えないでキスをした。

「おれ以外の男に笑うな、おれ以外の男と仲良くすんな」
「ル、フィ……」

○○の瞳からは、大粒の涙が溢れ出していた。全部おれのせいだ、それはわかってる。けど気持ちを抑えることはできなかった。

「ずっとおれから離れんな!!」

おれはいつの間にか怒鳴っていた。○○の体はビクンっと反応する。おれのせいで泣いてる、おれのせいで脅えてる。

「ごめん、○○」

泣いている○○を、おれは優しく抱きしめた。なにやってんだ、おれ。○○がこんなにも愛おしいのに、泣かせて。

「ル…フィ…ごめん…ね。でも……みんな仲間なんだよ…?」
「そうだよな、ごめんな」

強く、強く抱きしめる。

「私も悪いの……ごめん…なさい…」
「○○は悪くねェんだ、いつまでも子供なおれが悪い」

ナミに言われたことを思い出した。“大人になりなさい”って。みんな、大事な仲間なんだ。自分で自分を許せなかった。

「ルフィ…大好き」
「おれも、大好きだ」

今度は、優しく○○にキスをする。唇を離すと、○○は笑ってた。なんで笑ってんのかわからなくて、おれは首を傾げた。

「さっきのルフィね、怖かったんだけど、」
「ん」
「今のルフィは、とっても優しい」

○○は可愛い笑顔をおれにくれた。ぱっちりとした瞳、透き通るような肌、ふわふわした髪、すべてが愛おしい。

「ずっと、大事にするから」
「うん、ずっと一緒にいてね」

そう言う○○の笑顔は、きらきらと輝いていた。

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