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「Wow….It is what a big house!」「Hey,it is Japan here,and fitgroundless Japanese. (おいおい、此処は日本だぜ?いい加減日本語に慣れろよ。)」 お家はすごくすごくすごく大きくて、門の中にまた門があった。それに感嘆を漏らすとワビスケに鼻で笑われる。それに、Huh!?とワビスケを睨み付けようとしたのだけど、その前に家の中に上がり込まれた。ちくしょう。 それに倣って私も靴を脱ぐ。でも、家で靴を履かないって…なんだか変な感じだ。涼しいけど。 「お、おおきい…いえ、だよ?」 「首傾げんな。」 「くび…neck?…カシゲンナ?Ah………Is it meaning how?」 「わからねえからって諦めんなよ。ほら、日本語で。」 言葉と言うのは非常にめんどくさい。頭を掻き毟ってから、わからんの!ってワビスケを今度こそ睨み付けると、お家の奥から女の人が5人、男の人が7人、男の子が3人。締めて15人が茶色い液体を入れたグラスとオハシを持って顔を出した。言葉が出ない。壮観だ。 『………。』 「…今日の昼は素麺ね、相変わらず味気ねぇな。」 ゆっくりのっそりワビスケが立ち上がる。何を言ってるのかはちょっとしかわからなかったけれど、空気がピリピリしていて、その人達とワビスケがあんまりよくない間柄であることくらいはわかった。きっと、あれだ。2ヶ月前くらいに言ってた“ママの違う兄弟とか親戚”なんだろう。 考えていた挨拶の言葉なんか全部どっか行ってしまった。それで、どうしていいかわからなくなっちゃって、ワビスケとその人達を交互に見ていたらみんなの視線が私に向けられたのがわかってワビスケの後ろに隠れた。 「誰だ、その子は。」 金髪でブラックよりかは黒くないけれど、普通のカラードよりは色黒な男の人が私を見てからワビスケに視線を向けて言った。だれ、というのは恐らく私を聞いたのだと思うのだけど、ワビスケは、誰でもいいだろ。と返す。うーん…ワビスケは挨拶の練習をしたのを忘れたのだろうか。 「テメェ、母ちゃんに知らせもしねえでガキ作って何様だ!」 いきなりの怒鳴り声で捲くし立てられて、しかも何を言ってるのかさっぱり。おかげで吃驚するし怖いしで、余計にワビスケを盾にする。チラと私と同じ歳くらいの子達を見たら、みんな一様に驚いていた。それに気付いたのか、万助!と着物を着た女の人が、男の人を止める。 「一々怒鳴らないの、言いたいことも言えなくなるでしょうに。 侘助、あんたはその子のこと、母さんにちゃんと話してらっしゃい。」 「はいはい。」 話すつもりだよ。とワビスケはかったるそうに溜息を吐いた。そして私を見ると、ずっと持ってきていてくれた私の荷物を差し出すから受け取る。 「吹、俺はばあちゃんに話し付けてくるからさ、お前は万里子おばさん達と一緒に素麺でも食ってな。」 「ワビスケ、一緒にたべない?」 「俺は後で。」 ワビスケのズボンを握った手を離されて抱かれた。万助おじさん、頼んでいいだろ?とさっきすごい剣幕で怒っていたのだろう(少なくとも私にはそう見えた)赤いアディダスのランニングを着ている男の人に抱かせた。今度は落ちないようにマンスケおじさんのランニングを掴む。 「OZのやり方は前に教えたけどわかるな?」 「だい…じょぶ?」 「話がわからなくなったら使えよ。翻訳機能使えるからさ。」 「ホンニャ…? Yeah…OK.That's all right.」 そう言ったら、じゃ、よろしく。とヘラヘラ笑ってお家の奥に消えた。マンスケおじさんとやらと目が合う。 「…素麺食うか?」 「そーめん、くう?」 くうって、なんだ?と首を傾げると、マリコおばさんが、お腹空いてる?って言い方を変えてくれて、ワビスケがいなくなるから少し不安で戸惑ったけれど、ゆっくり頷いた。 |