02





体にかかる重みに現実感を取り戻す。生きてる…という安堵の気持ちの中に、危機感がよぎる。



フラッシュバックする記憶。



突然連れ去られた倉庫の中。


薄気味悪く笑う、悪そうなオニイサン達。


自分の上に跨がる、妙にかっこいいオニイサン。



今もなお体にかかる重さは、オニイサンと同じくらい……いや、同じなんだろうな。



ああ、やっぱり助かるわけないんだ。



正義のヒーローも王子様も、いない。全て私が、助かりたいがために作り出した夢だったんだ…



……自分で言ってて、悲しい。



覚悟を決めた方がいいのかな…なんてキリスト教でもないくせに心で十字をきって、祈りのポーズを決めたなまえ。しかし、体にかかる重さに変化などなく、むしろ、動きすら感じられない。
背中からも、コンクリート独特の冷たさや硬さはない。
むしろフカフカ?


閉じた目はそのままで、なまえはスカートの方に意識を飛ばしてみる。


え、目、開けろって?
ビビり(というか、ヘタレ)な私には無理です!


やわやわと(イヤな表現だけど、こんな感じだったし…)動いていた大きな手の存在はない。
綺麗さっぱり。


もしかして、覚悟がどうとか言ってる以前の問題?
私、連れてかれた後、何故か意識を失って、そのままこの布団(仮定)にGO!って感じ!?
あの微イケメン男にヤられ済み…!?
もしかしたら、気絶してる間にあの男よりも趣味の悪いオヤジなんかにヤられ済みとか!?


というか、息苦しい…っ!


嫌な想像に加えて、妙な息苦しさに、なまえは眉間に皺を寄せる。


もうヘタレとか言ってられない。
どこにいるのかもわからないまま、窒息死なんていや!
とにかく、私の上に乗ってる何かを退かさないと。
何処ぞやかのオヤジとかあの微イケメン男とかだったら、とりあえず、殴ろう。鼻目掛けて。
じゃなかったら、顎。


今は、脱出することだけ考えよう。


ここから抜け出して、いつもの生活に戻ろう。



よし!、と意を決してゆっくりと開いたなまえの目の先に見えたのは……



『ひっ…!?』


怪獣でした
命の危機を本気で感じました


(『きぃゃあああああっ!!!』)



(「っ、何だ!敵襲か!?]」)
(「ボンゴレにケンカを売ったこと、後悔させてやるぜ!」)
(「向こうは確か、ディーノさんが…」)
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