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 自称ドラゴン、シエンは僕を贄だと言った。彼の体液は全てカネになるらしいから。
「んっ、は、あ……」
 そんな彼から僕は今熱い熱いキスを受けている。しっかりと腰を掴まれ、舌が絡まり、混ざり合った唾液は否が応でも飲み込んでしまう。
 頭の隅で、唾液も宝石になったら僕の喉や胃が裂けてしまうと恐ろしいのに、終わらないキスで酸欠の脳みそは考えられなくなった。
「ふ……あ……」
 ようやく唇が離れた時、名残で声が漏れてしまった。魂が離れていくような寂しさを感じて、思わず声が出てしまったのだ。
 そんな僕を、シエンは相変わらずの無表情で見つめ、口端の唾液を指で拭った。
「……あ、あ、唾液、宝石になったら、」
 少し落ち着いた頭が導き出した結論にサッと青ざめる。思わず喉と腹に手を当てると、シエンの手がその上に重ねられた。
「平気、体温でとけているから」
「とけて、いる……」
「そう」
 シエンの右手の人差し指が、僕の唇を撫でた。そこからつつつ、と指が辿っていく。
 喉、胸、腹。
「唾液はお前の中を通ってゆく」
 そして僕の股間へ触れた。
「そしてお前のおしっこと共に排出され、宝石になる。今、出せる?」
「え……」
 するりとシエンの指が僕の股間を撫でた。
 こちらに来る前に着ていたのは旅館の浴衣だったが、今着ていたのはだぼだぼの超巨大なTシャツのような服だった。
 シャツの裾から、するりと内股に這わせるシエンのいやらしい手つきに僕はびっくりして声も出ない。
「な、なんでそんな無意味なことを……」
 僕の身体を通ったところで結局宝石になるのなら、僕の身体を通す意味がなかった。
 困惑する僕に、シエンは無表情だというのに少し笑ったように見えた。
「それは次に教える。今は、出して」
「う、あ、」
 シエンの手が僕の柔らかいままのそれを撫でた。先端をしつこく撫でられ、僕はゾクゾクとした感覚に追い詰められる。
「う、あ、やだ……」
 もう出そうだった。そんな僕にシエンは優しく囁くのだ。
「俺の手の中に出して」
「あ……あ……」

to be continued...


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