思い出の4ページ



あれから何度も自分で練習してみた
それなりに的にも当たるようにもなっていた
だが、イタチさんには中々会うことができずにいた

きっと任務が忙しいのだろう
今日もいないだろうとあの修行場へと向かう

すると、見覚えのある二人の姿があった


『イタチさんっ!!』

久しぶりに会えた嬉しさから思わず駆け寄ってしまった


「ミツバさん、久しぶりだな」

「………?」


『はい!元気でしたか?』


「ああ、オレは特に変わりはない。サスケ、ミツバさんだ」


「その上着!この前のやつだろ?!」


『え?!』


「すまない、こっちの話だ。こら、サスケ」


「だって兄さん、、」


「だってじゃないだろ、失礼だぞ」


『いいんです!そうだよー、あなたのお兄さんが届けてくれたの!サスケくんだったかな?ミツバです!よろしくね!』

握手をしようと手を出してみたが
フイッと横を向かれる始末


「こら、サスケ!!」


『大丈夫です!気にしないで!!』


「すまない、後でしっかり言って聞かしておく。ところで、今日も修行に来たんだろ?どれだけ上達したか楽しみだな」


『たくさん修行したんで!きっと上達してると思いますよ!』


「ほう、強気だな。見せてもらうか」



地面を強く蹴り、飛び上がる


ートン
ートン
ートン



「中々やるな、上達してる」


『本当ですか?!ありがとうございます!!』

あんなに練習したんだ、成果がでて嬉しかった

するとイタチさんの隣で頬を膨らませ拗ねていたサスケくんが


「兄さん!見てて!」


「コラ!無茶したら……」




帰り道、イタチさんにおぶられて帰るサスケくん

『サスケくん、大丈夫?』


「こんなの、どーってことない!」


「なら、降りるか?」


「す、すこし、痛いかも、しれない、、、」


「無茶するからだぞ、当分修行はお預けだな」


「えー!こんなの大丈夫だよ!だから兄さん、また今度一緒に修業してくれる?」


「ああ、、次は無茶するなよ」


「うん!」


会話を聞いていると、この兄弟の仲の良さが伝わってくる
いいな、兄弟って


「じゃあ、オレたちはこっちなんで」


『あ!はい!今日もありがとうございました!』


「・・・来週、朝6時にあの場所で」


『え?!』


もう一度聞き返した時にはその姿はなかった
今のってまた来いってことだよね?



思い出の4ページ



翌週、朝6時
あの場所へとやってきた
周りを見渡すが人の気配がない

『やっぱり、私の勘違い?』

まぁイタチさんが来ないにしろ
いつものように修業をすればいいのだが

修業を始めようと立ち上がると


「待たせたな、すまない!」


『イタチさん!』


「来てくれたんだな」


『イタチさんが言ったんじゃないですか』


「ちゃんと伝わってないかと思ってな」

珍しく下を向き小声になるイタチさん


『今日もよろしくお願いします!』

「ああ、よろしく」




修業を始め今日もたくさん教えてもらった
自分が上忍を名乗っていたのが恥ずかしいくらい
色んなことを知っているイタチさん

修業の話だけではなく世間話もした
なんと歳が一つしか変わらないことも判明した
歳が近いと分かり急に親近感が湧いた


次の日もその次の日もイタチさんとの修業は続いた

一月も経つと修業後に一緒に甘味処にも何度か行くようになった
話す内容はたわいもない話
お互いの事は名前と歳しか知らない
どちらかが聞くわけでもなく、知らなくても十分楽しかった

アカデミーから毎日行っていた修業は
イタチさんとの出会いでとても楽しいものへと変わって行った



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