01 え!ちょっと待って!
『―くっ!!』

キン キン

クナイ同士がぶつかる音が鳴る

「ミツバ!大丈夫か!」


『はい!大丈夫です隊長!』


「くく‥部下の心配たぁ優しい隊長さんだなぁ」


まだまだガキのくせになぁ、と敵が呟く


「‥‥‥‥」


キン キン チリチリチリ


『隊長!あたしは大丈夫なんで自分の敵に集中してくだ‥‥ぐぁ!』

「ふんっ、生意気に人の心配なんてしてんじゃないよっ!」


「ミツバ!!」


『くっ‥!』


キン キン


「ほらほら、さっきまでの威勢はどうした」

『‥‥‥―っ!』


「ミツバ待ってろ!直ぐにそっちに行く!」


「よそ見してんな!お前の相手は俺だよぉ!!」

「くっ!」


「土遁・岩宿崩し!!」

『うわっ!』


いきなりの術に避けきれず
私はよろけてしまった
よろけただけならよかったのだ
しかし後ずさった足元には地面はなく
一瞬思考がとまる


『えっ?!』

「ふっ終りだ‥水遁・水乱波!!」

『くっ!うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』


「ミツバっ!?ミツバーーーーー!」


遠ざかる意識の中で
隊長の声だけが聞こえていた




え!ちょっと待て!




「ミツバもう行くんかい…」
『うん、おばあちゃん今までありがとね!』

「ミツバが居なくなったらこの村も寂しくなるねぇ…」

『大丈夫おばあちゃん!また遊びにくるから!』

「そうかい?じゃあ待ってるからね、気をつけて帰るんだよ」

『うん!本当に今までありがとう!』


バイバーイと大きく手を降り前へと歩きだす

遂にこの日がやってきた

暗部での不注意の事故から2年
やっと体が完璧に治り木ノ葉へ帰る

おばあちゃんの話じゃ私は
崖から落ちて3ヶ月も
目を覚まさなかったらしい

よく考えるとずっと寝てれるなんて
幸せだったな、なんて呑気な事を
言ったらおばあちゃんに小突かれた

『まぁ、復活したんだし!いっか!』


みんな心配してくれてるかなー
なんて思いなが里を目指した





【あ ん】

とそれはそれはでかでかと
書かれた門の前で立ち止まる


『いやー!懐かしいねぇ』


ただいま!我が里よ!と門に
挨拶をし中へと足を踏み入れる

2年ぶりの里はどんな風に変わってるのかと
思いきやそんなに変わってはなかった

『なーんだ、つまんない』

まぁ、平和が一番だが

キョロキョロしながら火影の家へと向かっていると


「‥‥‥ミツバ?」

声がした方にんっ?と振り向けば
見慣れた銀髪が此方をガン観している

『あ、カカシさん』

「ホントにミツバなの‥」

普段は開いてるのか開いてないのか
わからない目をまん丸にして私に近づいてくる

相変わらず背でっかいなー
なんて見上げてると


バシッ
『イタッ!』


「あ‥夢じゃないみたいね」

え、何故私を叩く?!


『あの‥カカシさんなんで叩くんですか』

「俺最近疲れるから。幻覚かと思って」

『そこまで驚かなくても』

「いやいや、驚くでしょ。死んだ人間が目の前にいたら」


『は?死んだ?』


「え、お前死んだことになってるけど。」


『えええぇぇぇぇええええっ!!!』




(酷くない?傷ついちゃうぞ)
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