13 バカと天才は紙一重
はい!みなさん!
遂にこの時がやって参りました!!
ミツバちゃんのお家大公開です!


タンタンタンと
上がり慣れた階段を上がる
やっとこの時がきたのだ!
我が家の扉の前に立つ‥が!


これ、ホントに家の鍵だろうな…
隊長の事だ
何か仕掛けていると
考えてもおかしくない


例えば…

鍵穴にさした瞬間扉が吹っ飛ぶとか

あれ?開かない!と思ったら
実は隣の部屋の鍵だったとか


いやいやいやいや!
十分あり得るよ!

気をつけろミツバ!!

そーっと鍵を射し込んでみる





『爆発しなかったか…』

次にゆっくりと回す

ガチャ…

『お、開いた!』


なんだ!何にもなかったじゃないか!
ちょっと隊長を疑いすぎたか


『たいちょー、すみませーん。変質者扱いしすぎましたー…え?』


一人で隊長に謝りながらドアを開け


………バタン


閉めた。

タンタンタンタン

階段を降り

そしてまた階段の前に立つ


なんと私!あれだけ隊長に言っておいて自分で自分の部屋を
間違えたみたいだ!

気をとり直して
もう一度階段上り
ドアの前に立つ

ガチャと鍵をあけ
ドアを開ける

『‥‥‥‥‥』


2回も間違えるハズがない
確かにここは我が家だ
ドアの番号も間違えなく203だ


なのにそこにはこの世の末端の
ような光景が広がっていた


バカと天才は紙一重


『うっぷ…』

危ない、危ない
妊娠もしてないのに
つわりに似た症状が



なんとドアを開けたら
うちはイタチの写真やら
グッズやらが部屋中に
飾られているではないか


『なんじゃこりゃあああああ!』

くそー!油断しすぎた!
ドア爆破とかそんな
生ぬるいもんじゃなかった!

精神面攻撃してきやがったー!


『こ、これは酷いぞ‥』

家の何処を見ても
イタチ イタチ イタチ

だが頻繁に入っていたのか
2年も放置していた家は
埃一つ積もってない
埃のかわりと言ってはなんだが
イタチが積もってる‥

これだったら埃の方が
何十倍も増しだ!!
壁に張り付けられた
ポスターやら写真やらを
ビリビリ剥いでいきながら
壁をチェックする

『くっそ!どれだけ時間かかるんだよ』

ここまでする隊長の事だ
盗聴機とか監視カメラとか
あっても不思議ではない


全てのイタチグッズをごみ袋に入れ
取りあえずまとめた

『はぁ‥無駄に疲れた‥』


プルルルル


すると電話がなり

『電話よー!2年間も誰にも受話器を取ってもらえず寂しかったのか!…はい、もしもし?』


「…………」

『もしもし?』

「…………」

『もしもーし?』

「…………」

『…?切りますよ!』
間違え電話かな?

「…ぐすんっ……」

『え?何で泣いてるんですか…』

「………ぅうっ」

『だ、大丈夫ですか…?』

何だこいつー?!
ウチはお悩み相談室じゃねーぞ!

「……な、なぜ…捨てた…」

『お前かああああっ!!!』


ガチャ!!!



プルルルル…


『もしも「何故切った、何故捨てた」』

こわっ!隊長こっわ!
てか何故捨てたって
確実に監視カメラついてんじゃん!

『ちょっと!変態長さん!監視カメラ何処に付けてるんですか!』


「監視カメラ?何の話だ、そんなもの付けてない。だからキョロキョロしたって見つからんぞ」

『おもきし付けてるじゃないですかーっ!!てか嘘下手っ!』


「だからそんなもの付けてないと言っているだろう。それより何処向いて話してる、俺の目を見ろ」


『彼氏みたいなこと言わないでくださいよ気持ちわるい。てか監視カメラについて自分でバラしてますからね』


「はぁ‥ミツバ。俺を信じろ、そんなもの付けてない。あっ、そうだそのままソコを向いてろ」


『あ、あった』

ブチッ


「おい!何をする!モニターが砂嵐だぞ!」


『そこまでバカだったとは、有る意味見直しましたよ。じゃ、お疲れ様です隊長』


ガチャ


あー疲れた
てか、隊長がバカでよかった


そして久しぶりの我が家に
安心して眠りについた

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