上官によるいたずら
心の中で泣きながらハンジさんのもとへ急ぐ。
なんで私はこんなにも素直になれないんだろう。いやになる。
「…これ、のむ?」
ハンジさんがまた茶色い小瓶を私にむける。
ていうかそれ、もう1つあったんだ。
『遠慮します、怖くてのめません』
「そっか。残念。はいナマエ。コーヒーでも飲んで落ち着いて、特別にミルクもはいってるから」
ハンジさんはウインクをした。
ミルクが混ざったコーヒーを口に運ぶ。まろやかだけどほろ苦くて泣けてきそう。
カップの半分ほどを一気に飲み干した。
「…のんだね!」
突然嬉しそうにハンジさんは大声をあげて、私の手をつかむ。
「これでナマエも素直になれるよ!」
『……もしかして、ハンジさん………これにっ!!』
「えっへへ。だってナマエに素直になってもらいたいかさー」
『いや、でも、だからって…!』
誰かこの上官をとめてください。
なんでこんな時にいないのモブリット…使えない…!
「ほら、ナマエ!普段私に言えない事言ってもいいんだよ!ハンジさん大好き!とか!さ!」
『…大丈夫です』
「…あれ、効き目ない?失敗したかな…いや、そんなはずないんだけど…」
ぶつぶつ言いながらハンジさんは乱雑した机から何かの紙を取りだしあーでもないこーでもない言い出した。
もうこの上官に、ついていけない。自室に帰る。
夢中になってるハンジさんにバレないようひっそりと部屋をでた。
そして、私は自室に帰り、ベッドに横になる。
ハンジさんなんて飲ませたもの飲ませたんのー。
今のところ特に変化なんて感じないけれど、効き目ないといい。
そんなことを考えていると、私は睡魔に誘われた。