一時間目
セーラー服のがよかった。
そんな風に思ってもう三年目、そんな高校に通うのもあとちょっと。
可愛いげのない、至ってつまらないブレザーの制服。ネクタイも可愛くない。
ただ毎日を淡々とこなした。
楽しかった思い出はなにと聞かれたら即座に浮かばない。それが答えだよね。つまらない授業もつまらないなりに受けてさぼることだって出来たけど、さぼった方がめんどくさいことになる。それを知っていたからひっそりと過ごしてたいた。
だけど、三年生になってからそんな気持ちはどこかに飛んでいった。
私はこの学校に来て本当によかった。そう思えるようになったの!
『リヴァイ先生ー!おはよー!』
保健室の扉を開けると、リヴァイ先生は舌打ちをした。
『舌打ちって酷くない?ねえ、先生』
「おはようの時間じゃねぇだろ。それに自分の教室に行け。俺はお前の担任じゃねぇ。」
『んー。今日は学校行きたい気分じゃなかったんだもん。でも、エルヴィン先生がリヴァイ先生が学校こないと怒るって言ってたからしょうがなく来たんだよ?』
「そんな事言ってない。チッ」
エルヴィン先生は私の担任で、私は一応それなりに勉強していて成績は上から数えた方が早い。もう、進学先も決まった。二年生を終えるまで、真面目なふりして通っててよかった。
三年生になってリヴァイ先生がこの学校に赴任してくることになって、最初は怖そうな人だから近付かないでいようと思ったけど、雨がたくさん降る時期に私はリヴァイ先生に惚れてしまった。
それから私は保健室に行くようになった。
些細な事で保健室に行ってはリヴァイ先生に怒られて、でも、追い出されることはなかった。
そんなリヴァイ先生が大好きなの。
「どこ悪りぃんだ」
『……あたま?』
「それは知っている。生理にでもしとくか」
『先生ーセクハラー』
「お前が保健室にいる為のワケだろ。ならさっさとでてけ。」
『うそうそ、ごめんなさい。生理でいいです。ていうか生理だから学校きたくなかったの』
「そうか。エルヴィンからプリント預かってるから一応それやっとけよ」
『はーい先生。あれ、先生どこいくの?』
「職員室。お前のサボりをちゃんとしたモノレにしてしてやんだろ。いつもやってんだろ」
『ふふっ。そうだった。先生お願いします』
リヴァイ先生はそういって保健室をでていった。
保健室のリヴァイ先生。
目つき悪いし、口も悪い。それに保健医なのに顔色よくない。
でも、私の大好きな先生なの。