film review

● バタフライ・エフェクト
父の特異な力が遺伝した青年エヴァン。少年時代につけていた日記を朗読すると、当時にフラッシュバックし、そこから人生をやり直すことが出来るというものだった。無くなった記憶を取り戻すために始めたかつての友人たちとの交流だったが、幼い頃惹かれあっていたケイリーという女性の死をきっかけに、エヴァンの過去は何度も塗り替えられることになる…。

SF?になるのかね、この映画は。典型的なアメリカンアイドル顔俳優アシュトン・カッチャー主演の作品。おもしろかった!能力が遺伝して、人目に付かないように使うけど大事になるって映画、他にもあったよね、ジャンパー(テレポーテーション能力の遺伝)など。日本で言うと、ドラマだけどSPEC(戸田恵梨香主演)もかな。ジャンパーやSPECは敵がいて、主人公やその仲間を排除しようとしてきて、それに対抗するような構図だけど、バタフライ・エフェクトはそういった敵対組織がいなかったな。ひたすら自分の忍耐と、過去の出来事をどう変えていくかの戦い。

なんで?と思う描写がなかったわけではないのよ。たとえば(以下ネタバレ)なぜ重要なところで意識が飛ぶのか?引っ越し以降の7年間ではなぜ飛ばなかったのか?とか。あるいは母、なぜエヴァンを煽るようなことするんだ!止めろよ!とか。でもうまいこと話の流れのせていってる感じ。あとで話すけど、それも一つの選択と言うことなのかな、と思わせる。次々と力を使っていって、話がなかだるみしてないし、かといって展開早すぎ〜〜ってこともなかった。

さて、日本のドラマであった仁ーJINーってご存じだろうか。あれで南方先生が無事に現代に戻った後、手術して、同僚の先生と小説の題材について話してるときに、SFなことを言っていたんだ。過去にタイムスリップして、そこから元の時代に戻るとき、自分が過去に対して与えた影響から未来(元の時代)にねじれが生じてくるみたいなこと。しかも自分という存在は今まで自分がしてきた選択の数だけ存在していて、ねじれによって別の選択をした未来に飛んでしまうみたいな。(間違ってたらごめん)

これってそれじゃな〜〜い!?と、いいたい。

映画のストーリーは一本の線で出来ているのではなく、いくつもの選択という線によって出来ていて画面に採用されたストーリーはその選択の一つに過ぎないという意味。だからこそDVDの特典映像にボツになった2パターンのエンディングが収録されていたのかなと。それさえもこの映画の趣旨に飲まれているなんて!!!なかなか乙なこと考えるよね。

映画で精神病院に入っている父がエヴァンと面会したときに彼を殺そうとするんだけど、それは父の選択の繰り返しのなかでエヴァンが自分のことを苦しめる存在だったから、かもしれない。エヴァンにとってのケイリーとの出会いみたいに。そこまで思いを馳せることが出来る(遠い目)。

時間のロジックは宇宙の真理に並んでSFの永遠の題材。どこまで展開して伏線を張るか、回収するかで映画のできが変わってくる〜〜。わかりづらくてもだめ、浅はかでもだめ。塩梅が難しいところであります。

あ、わかったぞ、未来が過去に作用してるんだ。でもエヴァンの行く末は決まってた。ケイリーとの絶縁は最初から決まっていたんだ。未来の自分の意志で過去の自分の行動が変わるということは、主導権は未来の自分にあったと言うことで、でも未来の自分は過去を経なければ構築されないわけで。うわ〜〜〜不思議だ!!

ちなみにアシュトン・カッチャーはミラ・クニスの旦那です!!!!やべえな!!子供絶対かわいいよ!!!鶴井が保証するよ!!!モデルデビューとかしたら絶対注目するわ!!
2017/02/23 23:40

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