20


じゅぷじゅぷ卑猥な音を立てて味わう。ずっと咥えていられそうだ。
口内の頬肉で先端を擦り、舌先で裏筋をつついたとき、粘液の味が変わってきた。それとともにラーシュが悩ましげに唸る。

「ダメだよアルド、このままだと俺イッちゃう」
「出せば?飲んでやるよ」
「うわぉ、すごいこと言ってくれるね」

だって先走りおいしいし。たぶん精液もうまい。これも夢魔の印のせいなのか?何でもいいけど。
なのに引き剥がされてちょっと残念に思った。

「もう、ダメだって言ってるのに」

言葉のわりに嬉しそうな顔をしたラーシュと、また形勢逆転。乱暴にベッドに転がされ、彼がのしかかってきた。
逆らわずに見上げれば、何度か啄むキスをされた。

「かわいいよ、ほんとに」
「ラー……んぐ」

だらしなく開けた口にラーシュの指が二本入ってきた。フェラで敏感になってる口内を指の腹で撫でられ、舌を挟まれたりして弄ばれる。それだけでもすごく感じた。
彼の手首を掴んで器用なその指を無心で舐める。
やがて指が引き抜かれ、膝を両側に割り開かれた。
尻穴に俺の唾液まみれの指が触れると、背筋にびりびりとした感覚が駆け抜けた。

「ん〜……これなら潤滑油いらなそうかな」

独り言みたいにつぶやいたラーシュの言葉どおり、俺の出した滴りが幹を伝って穴を濡らし、シーツが湿るほどだった。汗も合わさって谷間がじっとり濡れている。
先走りのこの量はマジでおかしい。これはさすがに夢魔のせいだ。

「……あっ」

俺の唾液でぬるついた指が入り込んでくる。骨ばって長い、男の太い指が。
狭い穴を広げられてるのに痛みなんか感じない。ゆっくり動かされても、ただもどかしいだけだった。

「柔らかくて、俺の指ぎゅうぎゅう締めつけてるよ。早くここに入れたいな」
「い、入れて、ほし……あっ、ラーシュ……!」

指じゃ物足りなさすぎて腹の奥が切ない。ラーシュのでかいアレで埋めてほしくて尻穴が窄まった。
しばらく二本指で広げられたあと、喘ぎながら腰をもぞもぞと動かしてたら指が穴から抜けていった。
待ちきれずに自分から足を開き、膝裏を持つ。
火照った肌に痣がくっきりと赤く浮かび上がり、俺の竿から垂れた露がそれを濡らした。その先に、ラーシュの勃ち上がった男根が見える。
覆いかぶさってきたラーシュがますます顔をニヤつかせた。

「アルドの今の姿、絵に描いて後世に残したいね」
「何言ってんだよ、バカ。そんなことより、ラーシュ……」

馬鹿みたいな軽口に焦らされつつ、尻を上げる。
先っぽをあてがわれたがすぐには入らず、穴周りをぬるぬると行き来した。
満たされない苦しさで息荒く口を開けたり閉じたりしていたらキスで塞がれた。
膝を開く手を下ろし、ラーシュの背に両腕を回す。そうしてキスを堪能してると、先端がようやく中に入り込んできた。

「んぅっ……!」

狭い穴をこじ開けながら硬くて濡れた熱の塊が押し入ってくる。
待ち望んだソレが中に来て喘いだが、キスでくぐもってしまう。
けっこう強引に突き入れられて痛いような気もしたものの、それ以上に幸福感でいっぱいになった。

「痛くない?」
「あ、う……んん……っ、ぜん、ぜん」
「そ。もう、少しだからね、んっ」

一番太いカリが穴に潜ったら、あとはスムーズに入ってきた。
奥まで収まったあと、ラーシュは呼吸を荒げながらも軽いキスを繰り返した。
そのまま馴染ませるようにじっとして繋がっていた。男のもので腹一杯なのが、この上なく嬉しい。
しばらくしてラーシュが俺の臍の下を指で押した。

「どう?ここまで届いてる?」
「わっ、かんねえよ、そんなの……ん、あっ!」

ラーシュがもう一押しとばかりに突き入れてきた瞬間、痣がずくんと熱く疼いた。と同時に漏らしたみたいに俺の勃起から精液が飛んだ。
――いやいや、このタイミングでイクとかありえねえだろ。ないわ。
呆然としつつも、発情の熱はこれっぽっちも醒めない。むしろ俺の体は、中のラーシュをうまそうにきゅうきゅう締め付けた。

「あらら、出ちゃったの?」
「あ、ああ、なんか……つい」
「俺のが入って嬉しかったのかな?はぁ……可愛い。アルドの中ね、あったかくて気持ちいいよ」

俺の暴発なんて気にも留めず、ラーシュはちゅっちゅと頬や額にまでキスしてくる。
俺も彼の背を抱いてその唇を食んだ。なんだかめちゃくちゃ幸せだ。

「さすがにこのままだとアレだし、そろそろ動いていーい?」
「好きにしろよ。……あっ」

ずるっとでかいモノが抜けていったから、泣きそうな高い声で喘いでしまった。しかし途中で止まって、また入るとホッとして溜め息まじりに歓喜で喘いだ。
そのままゆっくり内壁を擦られた。そして徐々にその動きが速くなっていく。彼の腰の動きは一定で滑らかで、尻穴でも負担に思わなかった。

それに、中で行き来されるたびにやたらと感じる箇所があった。
玉の裏から竿の先まで直接響くような快感は初めてのものだ。
女もこんな風に感じるのか?それとも夢魔の印のせいなのか……。

「あっ、あっ!すご、それ、ラーシュ……ッ!」
「うん、気持ちいいねぇ。もっと足開こっか」

体を起こしたラーシュは、抜き差ししながら俺の両足首を掴んだ。言われたとおりに足がさらに開いて、尻も持ち上がった。
ラーシュと繋がってるところが丸見えになる。痣は真っ赤に充血し、律動に合わせて揺さぶられた。

潤む視界に、上気した浅黒い肌が躍動する姿が映る。
左胸と腕に描かれた彫り物が汗に濡れて艶めいている。乳首が立っている胸も、髪を乱して腰を振るところも、快楽を貪っている彼の姿はセクシーだ。
そのあまりのエロさに、下半身がずきんと重く痺れた。再び硬さを取り戻した股間が先走りを垂らす。

「ラーシュ、あっラーシュ……き、気持ち、い……お、俺、やばい……っ」
「俺も、んっ、最高だよ」

言うや否や、堰を切ったようにガツガツと容赦なく抉られて声が止まらなくなった。
肌がぶつかる音と、お互いの喘ぎ声と荒い呼吸が部屋中に響く。ベッドが激しく軋む音も。

ラーシュが覆いかぶさってきて、唇が深く重なった。
自分から舌を絡めつつラーシュを力いっぱい抱きしめる。
それでもなお足りなくて、彼の腰に足を巻きつけた。もう全身で縋りついても足りないくらいだ。

「はっ、はぁ……アルド、俺もう、出そうだよ」
「んっ……あっ、俺も、イキそ、あっ、やば、あぁっ……!!」

小刻みに腰を打ち付けてきたラーシュは、低く呻きながら俺を力いっぱい抱きしめてきた。
続けて自分の中に熱いものが何度も注がれるのを感じた。
そのとき、自分の意思とは無関係にビクッ、ビクッと痙攣した。瞼の裏が白くチカチカ弾ける。
あそこは熱くてイってるのに射精の感覚がない。なのにそれよりもっと強い快感が全身に走って震えた。
もう幸福感は絶頂で、たまらなくて、そしてそれを手放したくなくて、汗に濡れたラーシュの体に必死でしがみついた。

「ラー、シュ……」

息も絶え絶えに耳元で彼の名を囁けば、優しく甘やかなキスが返ってきた。


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