こい 鯉 恋C



「ただいマリオ」

「・・・おかえり」



今日もたくさん働き、カイさんのことを考えながら部屋に戻る。

早々ボケてみたが、突っ込みは無かった。


・・・ちょっと悲しいです、ハイ。


ユーリは考え事をしていたのか返事が遅かった。



「じゃあ、ご飯作るよー?」

「・・・ああ」



おかしい。あのユーリがここまで上の空なんて。

はっ!まさか・・・。


(好きな人・・・とか?)


否定はできない。

ユーリがいつ、どこで、誰と会っているかなんて私は知らない。

好きな人が出来ても私は知らない。知る術もない。


(・・・・・・)


いや、やめよう。

まだユーリに好きな人がいると決まったわけではないのだし。

考えるだけ無駄だ。



「さーて、愛情込めますか!」



それに、例えユーリに好きな人がいたとしても

私は「良かったね」と、笑って祝うことしか出来ないから。



私は何も出来ないから・・・。






「っふー!おいしかった!我ながらパーフェクトですな」

「・・・ああ」

「ちょ、いい加減涙出そうだからその生返事やめよう!?」

「・・・ああ」

「・・・駄目だ、こりゃ」



まったく。何をそんなに考えてるんだか。

放置プレイなんてどこで覚えてk((殴

馬鹿なことを考えていたら、突然ユーリが口を開いた。



「・・・なあ、」

「はい?」

「お前ってさ、前に付き合う気が無いって言ってたよな?」

「うん、まあ、そだね」

「じゃあさ・・・」

「うん?」

「好きな奴も、いねーの?」



・・・はい?

一体どうしたらそういう回路に・・・・。


・・・そりゃそうか。普通付き合う気が無いっていったら

誰でもそう考えるわな。

はい、私が悪いですね。すんません。



「いるよ」

「!」

「いやさ、正確にはその人以外そーゆー関係になりたくないんだよ」

「・・・なんでだ?」

「?」



今日のローウェルさんは質問が多いですなぁ。



「なんでオレには・・・」



・・・?

・・・・もしかして、ユーリは勘違いをしているのではないでしょうか?



「あのさ、説明不足だった私が言える立場じゃないんだけど・・・」

「・・・」

「好きな人がいるって言わなかったのはさ、

 ユーリなら理解してくれてると思ってたからであって」

「・・・」

「・・・まあ、一種の信頼、的なものですよ」

「!!」



私がそう言うと、ユーリは驚いた様子から一変、少し拗ねたような表情に変わる。

つーかその顔可愛いな、オイ。デヘヘ



「・・・んなもん、分かるわけねーだろ」

「ハイ、完全に私の説明不足ですね。すいません」

「ま、いいけど」



私が素直に謝ると、ユーリはいつもの余裕の笑みを浮かべる。

うんうん、ユーリはそうでなくちゃ。



「・・・てかさ。勘違いしたユーリもユーリじゃね?」

「何か言ったか?」

「いえ!何も!」



こうして、小さな誤解を解いていつも通り過ごすのだった。





[前]
[次]


戻る

Topへ


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -