プロローグ
「……っ!?今のは一体……」
俺は急いで骸を探しに出た。何となく、今すぐに伝えなきゃならない気がした。
「骸!」
「おやおや、そんなに慌ててどうしたんですか?」
「頼みたいことがある」
骸に事情を説明する。訝しげな顔をして、正気ですか、と問われた。もちろん正気も正気、大真面目に話している。
「やってはみますが……必ず、と保証はできませんよ」
「構わない。お前に頼むしか方法がないんだ」
「クフフ、そこまで言われては仕方ありませんね」
「ありがとう、助かるよ」
ダメで元々。運命かもしれないと感じてしまったからにはやってみるしかない。話が終わると骸はどこかへ行ってしまった。俺には骸からの報告を待つことしかできない。大人しく仕事をして待っていようと、執務室へと向かった。
――あれから、何度季節が巡っただろうか。
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ふと夜中に目を覚ました。何か夢を見ていたような気がするけれど、全く思い出せない。思考回路が追いつかないまま、手の中の違和感に気づいた。
「んん……?」
霞む視界の中、私の目が捉えたのは銃弾のようなもの。実物を見たことがないから確証はないけれど……テレビの中で見たことがあるのは、確かに先が尖った円筒のような形の、まさに手の中にあるコレ。ぼーっとそれを見ていると、文字が書いてあることに気がついた。
「ぼん……ぼん、ご、れ……?」
呟いたのも束の間、私はすぐにまた眠ってしまった。手に持っていた銃弾のようなものが爆発して、辺りが煙に包まれているとも知らぬまま。
(2018.06.04)
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