夜明けと共にさようなら




夜、日付が変わる三十分前の出来事だった。
10月31日。つまりはハロウィンの終わる30分前の出来事だ、ソファーで今日あった事を二人で笑いながら話していたとき不意に眠気が二人を襲った。
意図的なものではない…うとうと、と微睡む様にその意識は暗い闇に沈んでいく。
ゆっくりとした落下に、二人は身体の力を抜く。
これは夢だ……、と思ったから。こんなにゆっくりとした落下なんてありえない有る筈がないから……。


だから、…そっと目蓋を閉じた。





















絢・莉奈「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!冷たっ…!!寒ぅっ!!!!」」


そんな叫びが森に木霊する。二人はすぐさま、水の中から飛び出した。
乱した息を整えながらも状況把握の為に周りを見渡すが水が目には言って視界がぼやける。
数分後取り敢えず落ち着いたようだが…まだ微かに上下する肩は戸惑いを隠しきれて居ないようだ。
見覚えのない場所、見覚えのない風景、見覚えのない光景。今の現代では有り得ない自然の多さに二人は絶句した。



そして、最初に零した言葉は………。






絢「何処だ、此処は」

莉奈「池袋…ではないよね。寧ろ、日本なのかな……?」






見渡す限りの自然、自然、自然に驚愕の表情しか浮かべることが出来なかった。
確か、数分前までは普通に家でソファーで話して、眠って…唯それだけだった。何も可笑しな事はなかった。唯…、今日が………。





ハロウィンだと、言う事を除いては。















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