僕のために笑ってよ



「お前ってどんなときに笑うのさ?」
「…至って普通に笑いますよ。」

普通にってなんだ普通にって。しかも答えになってない!

「くすぐったりとか?」

「そのくらいじゃあ笑いませんね。」

いつもどんな時も無表情を貫き通す、鬼の補佐官。そんな鬼灯の無表情を崩してみたい、なんて。

「ホントに?くすぐっていい?」

「えっ嫌です。」

「何でよ?」

「白豚に触られたくありませんよ。」

「豚じゃなくて神獣!」

そんなやりとりをしながら。
結局くすぐっても何の反応もなく。つまらないから鬼灯の膝を枕がわりに寝転がった。

「重いです白澤さん」

「愛しい恋人でしょ」

「愛しい変人ですよ」

変人じゃないよ、って言い返そうとしたけど鬼灯の顔が間近にあって言うに言えなくなった。

「白澤さんがべたべた触ってくるので欲情しました。責任とりなさい。」

あ、ちょっと顔赤い。
笑ってはくれないけど、こういう鬼灯の顔好きだなあ。

「何考えてるんですか」

「鬼灯のこと」

そう言って鬼灯の白い首に手を回すと唇に柔らかい感触。

「ん、ん…っ」

上着が肩から落ちる。服の裾から冷たい手が入ってきて、一瞬肩が跳ねた。

「あ、ちょっと待っ…」

「待ちません」

手が冷たいから余計に感じる。下腹部の熱が一層際立って、恥ずかしくなって顔を覆った。

「や…ひぅ、ほおずき…っ」

「何ですか」

「そこじゃなく、って、下…触って」

ぐちぐちと指が入ってくる。2本、3本と増やされて、いいところを突かれる度に解れてきた。

「はっ…ぅあ…あ、鬼灯、もう…」

「大丈夫ですか?」

「ん…いいよ、入れて…っ」

鬼灯のが中に入ってくるのが分かった。同時に唇を塞がれて、息ができない。苦しい、けど気持ちいい。

「…っ!ふぁ、あ、あっ」

「は…っ」

鬼灯の苦しそうな顔、最高。
なーんて思ってると一層強く突かれてそれどころじゃなくなってしまった。

「ん…っ、ねえ、ほおずき…」

「…なんですか」

「っ、こんなときにも笑ってくんないの…?」

「嫌ですよ…」

「僕のために笑ってよ、…うあっ!」

一瞬いいところを掠めた。鬼灯はそれを見逃さずにそこばっかり突いてくる。

「…気が向いたら笑ってやりますよ…」

「んあっ!や、ひぁあ…!」

鬼灯の声と水音で頭がくらくらする。

「も…だめっ、いく…ん、あ!ぁ、あっ!」

「ん、っ…」

鬼灯が中でいったのと同時に僕は意識を手放した。





誰かが僕の頭を撫でてる。あ、そっか、鬼灯だ。
確認しようと少し目を開けると鬼灯は笑っていたような気がした。けど睡魔には勝てずに、また夢の中へと意識を飛ばした。






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