らぶれぽーと☆


さて、と。
今日も一日それなりの出来事があった。
『機関』の次の会議用の報告レポートを書かなければ。
一樹は、家に帰るなりデスクトップを立ち上げる。
その間に制服から動きやすい部屋着へと着替える事にした。
白の半袖Tシャツとデニムの長ズボン。
何時でもきっちりとした服装を心がけている彼にしては簡素な格好だが、その格好でさえ彼の美しさを引き立ててしまう。
外気に晒されている腕は、白く細いが、単に脂肪が少ないだけで肉付き自体は悪くなく、寧ろ良い方だ。
デニムのズボンは、一樹の美脚を強調している。
ただし、その事を本人は自覚していないので滅多に他人にこの姿を見せない。
普段の格好とのギャップに驚きときめく人に「やっぱりこの格好はおかしいでしょうか?」などと尋ねるのだから、かなり性質が悪いと言えるだろう。
その被害者第一号はキョンだった。二号がいるとも思えないのだが。

話が脱線している内に、着替えも終わり、パソコンの起動も終了した様だ。
Wordを立ち上げ、今日の出来事を箇条書きにまとめる。


・本日の涼宮ハルヒの精神状態は良好。安定していた。
・授業中も特記する様な事はなかったと言う。(キョン氏談)
・放課後、部室に彼女が到着したのは最後。
・到着するが否や、朝比奈みくるを連れ去り出ていった。
・朝比奈みくるにコスプレをさせ、写真撮影をしていたそうだ。(朝比奈みくる談)
・残りの団員(僕を含む)は、自由にしていて良いと涼宮ハルヒから許可をもらった。
・長門有希は、推理小説を読み耽っていた。
・僕はキョンくんとババ抜き、ポーカー、チェス、オセロをした。
・彼は相変わらず「顔が近い、離れろ。」と言ってくるが、嫌そうな表情ではなく、顔を赤らめるだけ。
・4時32分頃、顔を近づけても、「顔が近い」と言うだけで、離れろとは言わなくなった。
・しかも、彼は微笑んでいた。
・こ、これはもしかして、両想いなのでsyo


…………。
「わあああああああああああッ!?!?
ぼ、僕は何を……!!!!!」

当初の涼宮ハルヒに関する報告から話が逸れ、キョンの事ばかり書いてしまった。
何時もことなのだが、一樹はそれにも気付かない。

「……書きなおさないと、いけませんね……」

これを何度も繰り返し、気がつくと深夜1時47分。
食事や風呂の時間を含んでいるにしても、長い。
恋する乙女、恐るべし。
どうやら一樹の寝不足の原因は、閉鎖空間だけでは無い様だ。








次の日の放課後。

「ふわあああ……っ」

盛大なあくびをし、伸びをする一樹。
どうやら部室で眠ってしまった様だ。
時刻は、5時48分。
活動は終わっている時間だが、誰も僕を起こさなかったのだろか?
その疑問はすぐに解消した。
隣で、彼が眠っていたのだ。
キョンは、優しい。
だから眠っている一樹を起こさずに待っていてくれたのだろう。
待ちくたびれて寝ちゃったのでしょうか?と思い、くすりと笑みが零れる。

「……ん、こいずみ……起きたのか?」

寝ぼけ眼をこすりつつ、こっちを見て問い掛けてくるキョン。
「ええ。お陰様で、よく眠れました」
そう言い、微笑んでみせるとキョンから一言。













一樹は今日も、パソコンに文字の羅列を作っては削除する。
だが、結局内容が変わる事は無かった。

・「あんまり無理するな、一樹」って言ってくれたんです!!
・これは、脈アリですよね!そう解釈します。


「……ふふっ」
一樹の寝不足の原因が、自分の言動のひとつひとつにあると知ったら、キョンはどう思うのだろう。
そして、これは私個人の推測だが、その日が来るのはそう遠くないだろう。




『古泉一樹とキョンに関する報告34』執筆:森
以上!








__________

2008.02.15

うん、書いてて楽しかった!
何気に冒頭書くのが楽しかった。
電波な部分も楽しかった。
しかしキョン氏……きょんしー?←
他に書き方無いのか古泉www






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