制快楽




「跡部くーん」



合同学園祭の相談があるから
寄れと言われて来たものの。

広い敷地に、土地勘のない俺は
完全に迷ってしまったようだ。


肝心の跡部くんは
携帯に出ないし。

下校時間も等に過ぎていて。
なかなか人に会う事もない。




「跡部く──‥あれ?」




嫌がらせの如く大声で名前を
呼んでやろうと思った矢先。

何処かの部室らしき建物に、
明かりが点いている事に気付く。


近付いてみれば。

幸運なことに。
そこはテニス部の部室だった。



もしかしたら跡部くんが
居るかもしれない。



淡い期待を抱きつつ。

迷子の心細さから、
ノックもせずに扉を開ければ。




「跡部くん居る‥っ!?」




覗いた顔が。
その場で硬直する。



そこに居たのは二つの影。

一人は机の上に
仰向けに倒れ。

もう一人はその上に
覆い被さる格好で止まっていた。


まさに襲う側と、
襲われる側のその図。




「えーっと…」

「あ、キヨ!」

「っ!?」




この現状をどう打破しようかと
思考を巡らせていると。

一人の、襲われていた方から
名前を呼ばれる。


誰かと思い、明かりの眩しさに
目を細めながら見てみると。




「ジローくん!」




そこに居たのは。
見知った金髪の青年だった。







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