引麻薬




「──ねぇ、シよ?」


そう言って誘う貴方は。
麻薬のように口付けをする。







「ん、…ふァ…ッ」




昼休み。

誰も居ない筈の教室に。
小さな声が入り混じる。




「少し、下手になりましたか?」




口に薄笑いを浮かべながら。

膝を付いて懸命に舌を
動かしている男を眺める。


桜色の唇は唾液と先走りで
透明に光り。

時々こちらを見上げる瞳は。
涙で薄く濡れていた。




「ほら、貴方から誘って来たんでしょう」




金色の髪を優しく撫でて。

その手で勢い良く
奥までくわえ込ませれば。


綺麗な顔が苦しげに歪み。

強く締まる喉に。
そのまま欲を吐き出した。




「──!?…、はッ‥ゲホ…っ!」




器官に入ったのか。

押さえていた手を離した途端。
息を吐く間もなく咽せる先輩。


その瞳からは涙が零れ。
床に零した精液を濡らす。




「ひどいよ、ヒヨ‥っ」




口端の液を拭いながら
此方を見る姿は酷く淫靡で。


見下ろせば。

もっと泣かせたいという
衝動さえ覚える。




「酷くされるの、好きじゃないですか」

「好きじゃな…っや、ぁ‥!」




反論しようとした先輩の身体を
無理やり押し倒して。

猫が伸びをする様に、
腰を高くして此方へ向ける。




「そう教えたのは、貴方ですよ」




耳元で囁いて、
その耳を甘噛みすれば。

ピクリと震える細い肩。


それに薄く笑って。
前座もなしに挿れてやれば。




「ッ──!」




先輩が小さく鳴いて。

鼻にはツンと、
鉄の匂いが広がった。




「ゃだ…優しくして‥っ」

「優しさが欲しいなら、跡部さんの所へ行って下さい」




まだ痛みに震えている先輩に
容赦なく突き立ててやれば。

背中を仰け反らして
悲痛な声を零す。




「先輩のその声、好きですよ」




唇を舌で潤わせながら
そのまま律動を続けていると。

先輩の口から零れてくる声が、
明らかに変化を見せ始めた。







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