淫乱先輩@


▼注意
これは長編の主人公がAV男優やってた頃の話です。
ハルユマです。
アホエロです。
語尾に(笑)をつけて読むと楽しい。

協力:朱さん
 
 
――――――――――
 
 
 
「へぇ…先輩、乳首触られただけで感じちゃうんだぁ」
「んっ…ふ…」

 とある高校の屋上で、給水器の陰に隠れるように寄り添う二人の男子高校生。一方は黒髪の真面目そうな生徒ユマで、もう一方は可愛らしい笑顔を湛えた明るい茶髪のハルである。ハルはユマを壁に押し付けるようにして立っていた。

「やっ…ハルくん、なんで…っ!?」

 ハルの右手はユマのシャツをたくしあげ、中の乳首を無遠慮に捏ねくり回す。その度にユマはぴくぴくと体を震わせ、目元に涙を溜めた。

「ユマ先輩…昨日3組のアツシに告られたんだよねぇ」
「あっ…あっ、ちゃんと断ったよ…!」
「先輩が隙だらけだからそういうことになるの」

 ハルは右手を乳首に置いたまま、左手で上半身を愛撫し始めた。尾てい骨から首筋まで、舐めるようにゆっくり行き来させる。その焦らすような手つきに、ユマは身を捩らせた。

「こんなにやらしくて…。僕以外の男にもさせてるんじゃないの?」
「あぁっ!」

 制服のズボンの上からぎゅうと大事な部分を握られる。チャックを外さずともそこが勃ち上がっているのが分かった。

「ほら、先輩のちんぽ…もうぬるぬるだよ?」

 ハルは楽しそうに笑うとユマのソレをパンツから取り出す。成程先走りでぬるぬるだった。乳首しか触っていないというのに天を向いているそれを愛しげに眺めると、軽く上下に抜いた。

「やっ…あぁん」

 途端にユマは気持ち良さそうな声を上げ、快楽に溺れる。どうにも快楽に従順すぎるのが悩みだった。優しく触れられると気持ちよくなってしまって何も考えられないのだ。思考を散らしながら、その絹のような白い肌を紅潮させる。桃色の唇から漏れる声は艶めいてハルの劣情を誘った。

「はっ…ねぇ先輩、ココに挿入れて欲しい…?」

 ハルは堪らないといった表情でユマの下半身をまさぐり、やがて密やかな蕾を見つけだす。そっと入り口の襞をなぞってやると、ユマの性器がびくんと震えた。

「あっ…あぁ、ハルくん…っそこぉ…」
「先輩はお尻じゃないとイけないもんね?」
「はぁ…気持ちい…のぉ…だから…んっ…―――!」

 暖かな中に、ぐんと勢いよくハルの指が突き入れられる。ユマはその衝撃で精液を出してしまう。白い飛沫がハルの顔にかかった。

「もう…先輩は淫乱なんだから…」
「カットォォォ!」

 ―――設定上は二人しかいなかった筈の屋上に、男の野太い声が響く。監督だ。
 嫌そうな顔を隠しもせず、ユマとハルは監督を振り向く。

「なんスかー」
「んもうハルくん!淫乱ってのはキーワードだから最後のクライマックスで言えって言ったでしょう!」
「そうだっけぇ」
「それにユマくん!君が男らしいのは分かるんだけど、イく時に声を耐えちゃダメって何回言えば分かるのよう!」
「えーでも、そんなアンアン言ってられな…」
「この馬鹿!これはAVなのよ淫乱先輩なのよ!?ユマくんがそんなんでどうするの!」

 サングラスをかけた監督は黄色メガホンを振り回している。ハルの勃起したちんこもすっかり萎えていた。爽やかな初夏の日差しが監督のハゲ頭に反射して眩しい。監督はオカマだった。

「…でも俺今日結構頑張って喘いだっつーか…」

 監督の注文に、ユマは唇を尖らせる。

「それはセリフだからでしょ!?もっと本物の喘ぎを頂戴よ!」
「そもそもこのキャラ口調が女々しくてキモいんだけど…」
「文句言わないの!そういうのが需要ってヤツなのよ!」
「あはは、ユマがんば〜」

 他人事だと思ってけらけら笑うハルに、監督はきっと向き直った。

「ハルくんも!これから挿入だけど、ちゃんと喘いでよね!」
「えぇ!?なんで僕が!僕タチじゃん!」
「あのねえハルくんとユマくんの組み合わせはズバリ百合ホモなの!どっちも女顔なんだから仕方ないでしょ!」
「意義あーり。ハルはともかく俺は女顔じゃ」
「ユマは黙って!」

 ハルはどうしても納得いかないのか、そのままずんずんと監督の方へ歩きだす。それを脇目に後ろ頭を掻いて、ひとつ欠伸をしたユマは思うのだ。五代目の監督はオカマだけど今までで一番良いかもしれない。俺達を人間として見てくれるし、設定や演出にも拘ってるし。何より無茶苦茶なエッチを強要しないところが良い。それまでの監督はみんな酷かったから。
 ハルも監督を気に入ってるのだろう。今まで彼は監督に話しかけることなんてなかった。

「だから!このまま嫉妬した後輩がお仕置きプレイでいいじゃん!」
「今回は玩具とか使わないのっ!普通のエッチで乱れまくる先輩を撮りたいのよ!」
「じゃあ僕喘ぐ必要ないよねぇ?」
「だから百合ホモなんだってばあ!」

 ぎゃいぎゃい交わされる議論は一時間ほど続くのであった。

「……あーそこのカメラマン、ファミチキ買って来てくれません?」


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