「みんないつもお疲れ様!ということで温泉旅行しましょう!」
「「わーい!!」」
どういうことなのかさっぱり理解出来なかった。ただ、スメラギさんが突発的に温泉旅行に連れていってくれるということだけは眠たい頭の片隅で理解した。
「また突然…」
夏にも似たようなシチュエーションで海に連れて行かれた気がするのはおれだけか?周りを見回すが皆温泉旅行に浮かれてそれどころではないらしい。
「…はあ、」
溜め息ひとつ。
「さ、みんな準備しといて!明日に出発なんだから!」
「スメラギさん、おれパス」
「はあ?」
眉間に深い皺を刻んで問い返すスメラギさん。若干怖い。
「そんなことしてる暇があるなら筋トレしてる」
もう少しで腹筋が割れそうなんだよ。もしかしたらもしかするかもしれない。
「…惺、協調性が無いのはダメよ?」
「い、いや、そういう訳じゃ…」
「なら行くわよね?」
「え、あ、だって…」
たじたじ、とはこの事を言うのか、と不謹慎にも考えた。徐々にスメラギさんに押されてきている。いや、負けるか。腹筋がかかっているのだからな。
「やっぱり行かない!」
思いきってスパッと言い放ってみた。案外決まったな、とか考えていたら、歪むスメラギさんの表情。やべ、怒られる?と思った次の瞬間、スメラギさんがニタァと微笑んだ。
(え、なに…?)
ぞわあ、と走る戦慄。

「ハレルヤ、やっちゃって」
「…は?」
「うらァ」
―――どすッ。
首に衝撃。どんどん暗くなっていく視界。嵌められた、と思った。
(アレルヤ後でシメてやる)
心にそう誓った。

さよなら、割れた腹筋…。









目が覚めたら、もう既に旅館に着いていた。近くのソファーにドスンと放置されてたおれ。皆は卓球に夢中らしい。
「起きたか」
「おはよう刹那。アレルヤは?」
(ボコってやんなきゃな)
「アレルヤなら向こうでロックオンと勝負してる。何か用でも……いや、聞かなかったことにしてくれ」
刹那は察したらしい。「アレルヤ、生きて帰って来いよ…」とボソッと呟いた。
「刹那は卓球しないのか?」
「卓球台が空いてないからな」
「あ、そっか…。」
向こうをちらっと見ると、フェルトとクリスティナが戦っているのが見えた。同点だ。お世辞にも上手いとは言えない。
(あ、)
良いこと考えた。
ガシッ、と刹那の手を握る。
「え?」
「行くぞ、刹那!」
「え?惺?」


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