7 ナルシズム


ここ最近周りが妙に騒がしい。
「瑞城!マネージャーになりやがれ!」やら「遠慮しないでマネージャー引き受けなよ^^」やら「瑞城ちゃん、セラちゃんのコスしてや!」やら「普通に考えたら瑞城ちゃんはライト姐さんコスなんやろうけど俺はセラちゃんでもいける思うで!!」やら「なによりもその美脚はミニスカで見せなあかん!」やら。

あれ、変態率高くないか?

まぁそこはこの際スルーだ。
今問題なのはこの目の前にいるやつ。


「Ha!!よぉ椎名瑞城!」


誰だこいつは。
何なんだこの全体的に青い眼帯男は。
知らんぞ私は。こんな見るからにめんどくさそうな知り合いいません。


「Ah?さっきからえらく黙りじゃねえか。照れてんのか?」


『どうしてこうも私の周りには勘違い野郎が多いんだろうな。』


なんか2年生になって急にナルシの出現率高くなった気がする。需要ねーよ。


「かん…っ
Ha!!なるほどな!!噂通りって訳だ。それとも、それはわざとか?」

『はぁ?なにがだ』


「その態度にきまってんだろ?わざとんな態度とって構ってもらおうって魂胆か?」


こいつニヤニヤしながらとんでもないこと言い出したな。


『いやいやいや有り得ないだろ。そこまでして構ってもらおうとされるほど自分は人気があるとでも言いたいのかこのナルシ』


「…どうやら演技じゃないらしいな。」


そう言ったこいつの顔は若干ひきつっていた。
こいつ誰かに似てると思ったら跡部だな。ウザさが跡部に似てる。

てか疑ったわりにあっさり信じるんだな。こいつ詐欺にあうタイプだ。


『ところでお前誰だ?』

「…俺の名前を知らないのか?」

『初対面だろ?そんなんだからナルシって言われるんだよ。』

「いや初対面なのにナルシ呼ばわりって何だ?てか言われてねーよ!!」

『あーはいはい。で?名前は?』

「…伊達政宗だ」

『伊達政宗…ああ、お前が伊達政宗だったのか』







「……って知っとんたんかーい!!」


『!…びっくりした白石か。』


「いやずっとおったで?てか椎名さん伊達くんのこと知っとったん?」


『いや、実際に顔を見たのは初めてだがな。
高校生にしてすでに伊達家の頭となってるんだ。名前くらいは知ってるさ。』


「…なんやえらい椎名さんかっこええわ」


『まぁそれに、パーティーには私も出るからな。嫌でも耳に入る』


「パーティーて…(椎名さんも金持ちやったんかい!!)」


まぁそんなこんなで伊達政宗と顔見知りになりました。