満天の星空を見上げて流星群を待つ。 「ミナト、どれが何の星?」 「ん、あれがデネブ、アルタイル、ベガだよ!」 「へぇー…」 ミナト君が質問したクシナに夜空を指差しながら、夏の大三角の名前を教える。彼の言った星を頭の中で反芻して覚えて空を見る。 『あれが…織姫様……』 やっとたくさんの星の中から見つけてつぶやく。 でも織姫様の相手の彦星様が見当たらない。 ひとり、ぼっち……そんなの寂しいよ…。 空を見るのをやめて、楽しげに話すひとつ隣のミナト君を見る。 『……っ、』 話し掛けたくてしかたないのに、結局私は何も言えないまま……――― 『(さっきのお願い事なんて…、意味ないね―――)』 ゆっくりと降り注ぎ始めた流星群とともに、私の目からも一筋の涙が流れ落ちた。 ホントはわかってる。 君のこと、ちゃんとわかってるつもり。 こんなの私のちっぽけな、儚い願い事だって。 たとえ見つかったて、……見つけてもらえたって届くはずないの。 (だって、こんなに近いはずなのに、こんなにも遠く感じる…) 「だめだよ、泣かないで」ってそう言い聞かせた。 ← → |