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「たまには良いこと言うのね」
「ん、クシナそれは酷いよ」
「まぁそう言ってやるなよクシナ!」

クシナの一言にみんなして笑いながら、明かりのない道を進んでく。


あぁ、やっぱり2人はお似合いだな…。
ちょっと離れた後ろの位置から見て思う。
2人は“幼なじみ”だって、クシナは私にミナト君を紹介したときそう言った。

だけど…2人が楽しそうにに話しているところを見てると胸がキュッてなる。



『ミナト君は、たまに抜けてるからね!』
「お、まりもそう思うか?」
「ほら、まりもそう言ってるってばね!」


みんなの会話に参加して、バカみたいにはしゃいで歩いた。
抱え込んだ孤独や不安に押しつぶされないように…―――






「…着いたな」
「はぁ…やっぱり夜登るのは足元見えないし、結構辛いわね」
『ふぁー…』
「ちょ、まりってば大丈夫?」
『…うん。』

やっと小高い丘の頂上について一息ついていると「あ、」とミナトが上をみて声を上げる。それにつられてみんなして空を見上げるとそこには満天の星空が広がっていた。


真っ暗な世界から見上げた夜空は、星が降るようで…

『きれい…』


それ以外の言葉では言い表せないような景色で、言葉に詰まった。
(ちゃんと、流星群見れたら良いな…)



「ん、ちゃんと流星群見れると良いね!」

私の考えていたのと全く同じ事を言ったミナト君の言葉が嬉しくて、『うん…!』と誰よりも早くそう返事をした。



いつからだろう…ミナト君の事を目で追いかけるようになったのは…。もしかしたら最初からだったのかも…。そんな事を考えながら彼の横顔を少し盗み見る。でも目が会わないようにすぐに視線を星空に戻す。


かっこ、いいな……

星空を見上げてるのにそんな事を考えるのは、なんだかいけない事をしているような気持ちになって困った。



スーッ……

『!』

目の端に映った流れ星に咄嗟に願い事をした。


―――どうか、私のこの想いが…ミナト君に届きますように……


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