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いつもどおりのある日の放課後事。
いつものメンバーと屋上でだらだらと話したりボーっとしたりしていた中、君は突然立ち上がって言った―――


「今夜星を見に行こう」



『「え?」』
「…は?」
「…星?」
「…たしか今日って…」
「…あぁ、そういえば流星群が通るんだったっか」


彼――波風ミナトの言葉にみんなそれぞれの反応を示した。
ちなみに上から私、ミコト、クシナ、ヨシノ、シカク、フガクの順。


「ん、そう!木ノ葉には見晴らしの良い丘があるからみんなで行こうと思って」

ニコニコと爽やかに笑う彼を見て数人がため息をつく。


「…だからってなんで言い出すのが今なんだ?」
「そうだってばね!」
「だって今日の朝ニュース見て初めて知ったからさ」
「だとしてもお昼休みとか言う時間ならもっとあったじゃない…」
「はぁ…まぁでもミナトらしいな」
「…で、結局どうすんだ?」


みんなから文句を受けながらも、やっぱりニコニコしてるミナトにまたため息をついてフガクが聞く。

『せっかくだから行こうよ?みんなで流星群見れる機会なんてあんまりないと思うし』
「そうね…流星群自体はよく流れるみたいだけど、みんなで行く機会なんてあんまりないわよね」
「じゃあ…?」
「あぁ、決定だな」

シカクの発言に「ん!」と嬉しそうに頷くと、「じゃあ1回帰ってから甘栗甘で6時に集合で!」と言ってミナトはバックを背負ってまた立ち上がった。


「じゃあとりあえず1回帰るってばね!」

クシナの元気な声で私達は屋上の階段を下りて帰路に立った―――








家に帰るともう5時を少し過ぎたころで、甘栗甘に行くには15分ぐらいかかるからあと30分ぐらいは時間に余裕がある。

ふと放課後に彼の見せた、キラキラとした無邪気な笑顔を思い出した。
いつも笑ってるミナトの、時々見せる子供みたいなあどけない表情をまりは好きになった。


『……ミナト、君…///』

一瞬呼び捨てにして、恥ずかしくなって誰も聞いてないのに慌てて「君」を付け足した。



好き…――――

本人には恥ずかしくて、怖くて言出だせない言葉が誰もいない家に虚しく溶け込んだ。


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