Il eclate
できるんだから…
私にだってできるんだから…
サクラはじりじりした焦りにも苛立ちにもと似た気持ちで前にある背中をじっと見ていた。
ナルトと二人で過ごす時間はいつも心地良い。昔から良く知った間柄というだけではなく、ナルトが無意識に醸す雰囲気だとか人柄だとか。とにかく一緒にいる相手をどこか安心させるような温かさがある。
そして、ナルトの熱を知ってからは、殊更サクラに対する包み込むような愛情を感じている。大切にされている、愛されていると、いつだってそう感じる。
抱き締めてくれる
キスしてくれる
溶けてしまうような熱をくれる
サクラにいつも幸せを与えてくれるのはナルトだ。
今だってナルトからの愛情も感じるし、一緒にいる空間が優しさで満ちているのに、足りないなんて。これ以上を求めるなんて我が儘だと。そう思うのに。
もっとその優しさに触れたくて
もっとその熱に触れたくて
もっとナルトを独占したい
なのに、
いつも与えられるのを待つばかりで
自分から手を伸ばすなんて出来なくて
もし今手を伸ばしたら
願いは叶うのだろうか
ナルトは受け止めてくれるだろうか
サクラは目を閉じて大きく深呼吸をした
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