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■ 私は彼らの母代わり

名前はマジで良い女だよ、うん。

俺の知ってる女の中でもダントツで可愛いし、料理上手いし、ボケも面白えし、ツッコミも上手いし、超完璧なわけ。
一緒にいて飽きることなんて一切ねえし、現に俺、あいつが居ねェと何にもできねえし。

つーことで、俺は結婚すんなら名前しか居ねえと思う。



名前?名前は一言で言えば良い女だな。

常に気が利くし、結婚すんならアイツしか居ねェ。家事全般こなせるし、聞き上手だし、何より一緒にいて楽しいし凄ェ楽。
アイツのマヨネーズ料理はいつも最高に上手えし。アイツなしの生活が何か無理になってきちまった。

だから、俺は今すぐにでも名前と結婚したい。



『どういう意味で?』

「ん?」

『君らの場合結婚したいってどういう気持ちで言ってるの?まさかじゃないけど、私のことオカンみたいな感じで見てるんじゃ』

「いやいやいやいや!オカンじゃねえよ、良き母だよ」

『何も変わってないし、とりあえず君達は母性本能で結婚したいって言ってるだけだよ。結婚は心に決めた人じゃないとダメです』

「心に決めたって。ねえ大串くん、俺らマジだよねェ」

「あァ。この万年金欠と一緒ってのは気に食わねえが、大方コイツと同じ気持ちだ。マヨネーズに誓うから結婚してくれ」



『…えっ。なぜマヨネーズに誓うの?そこおかしいよね。マヨネーズじゃないよね普通』

「じゃあマヨネーズに誓えよ」

『いやなんで私が?てか何でキレ気味?何で命令系?マヨネーズに誓うってどういうことなの、まず』

「ンな気持ち悪いモンに誓うなよ。とりあえず名前さん。俺が死ぬまで一緒に居てくださいお願いシマス!」

『いや重いな。死ぬまでかよ重いな』

「はァ?馬鹿言うなテメェ。万年金欠野郎の家に嫁いだら名前の質が下がるじゃねえか。…まあ、手前が名前に近付かなきゃいい話だけどな」

「ああ?何言ってんの、つーかお前一体なンなの。名前はみんなの名前なんですけど?そこ心得て貰わないと困るンですけど鬼の副長さんよお」

「みんなの名前なんて言ってる場合じゃねえんだよ。こっちは名前切れしてるせいで常にイライラしてんだ。今日はうちが貰うからまだいいけどよ」

「はあああ!?いつ今日がお前の日って決めたよ?言っとくけどな、こっちも名前不足なんだよ。つーかこんな可愛い子を男臭え場所に渡せるわけねーだろ。常識的に考えろニコチン野郎」

「ああ?」

「あ?やんのかコラ」

『いやストップ!!喧嘩しないでよ!今日どっちの家にも行くから!っていうか、君達の喧嘩意味分かんないんだけど!はっきり言って、私のことどう思ってるの?全然怒らないからズバッと言っていいよ』

「すげえ使いやすい便利な女」

「一度触れたらもう手放せねえ。…って感じのタバコみたいな女」

『例えが悪すぎるし、とりあえず死ねお前ら』



『山崎くん。あの人達の言ってることサッパリだよ』

「旦那と副長、名前さんが腹パンしてから起きませんね。てかまあ、無理もないですけど…あんな酷いこと言ったんですし」

『ホント、酷いよねえ。あんなに結婚してくれとか好きとか言ってるのに恋愛対象には見てないんだよ?よく分かんないし、ふざけてるよね、あの人達』

「…名前さんは、あの二人のこと好きなんですか?その…恋愛対象として」

『…うーん、よく分かんないんだ。恋愛的に好きなのか分からないんだけど、ああやって言われると悲しいっていうか…二人と一緒に喋ってるのが一番楽しいし』

「ほんとにアンタは何処から何処までビッチですねィ。天然ビッチ。一番嫌いなタイプでさァ」

『沖田くん、いやビッチ?じゃないと思うよ多分』

「いやビッチですって。つーかでも…名前さんもそろそろ決めなきゃいけねえ時ですよ」

『何を?』

「どっちと恋愛するかでさァ。本気で」

『えっ』



『いや…え?決めなきゃいけないの?』
「当たり前だろィ。いい加減現実に目え向けなせェバカ」




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