女兎が啼く | ナノ
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世にも恐ろしい尋問






『頼もォォォォォォォォ!!!!!!!!!』


時刻は午後七時を回り、辺りが暗くなり始めた頃、名前の声が真選組前でうるさく響いた。
その声に反応して出てきたのは真選組副長、土方十四郎である。


「なんだ、ンな夜中に…。って、またお前かよオイ…」

『あ、土方さんですか。早く私を中に入れさせてください』

「何意味分かんねえこと言ってんだテメーは。夜だからって下ネタ言って許されると思ってンのか」

『いやアンタが何言ってんですか。それに下ネタだったら、逆に私の中に入れてくださいでしょうが…って何言わせるんですか!』

「知らねーよ。つーか、こんな時間に何の用だよ」

『沖田さんに呼ばれたんですよ。というかとりあえず沖田さんより先に神楽ちゃんたちに会わせて下さい』


名前の言葉を聞いて、「ああ、あいつ等か…」と、土方は渋い顔をしてつぶやくと、渋々名前を中に通した。





『……てゆーか…牢に結局入れられてるじゃねぇかァァァァァァ!!!!!!!!!』

「ちょっとォォ名前さんこれどういう事ですか!早く出してくださいよ!」

『知らないよ。てか何で君たち牢屋に入ってんの』

「なんかこの中に百万があるって言うから入っただけアル。コノヤローハメやがって税金泥棒野郎ォォ!!」

『ハメやがってっていうかびっくりする程目に見えて分かる罠だよね。寧ろこれに騙される方がおかしいよ。アホなの?君たち』

「ち、違いますよ!僕はそんなアホでも分かる罠に引っかかってませんよ!」

『じゃあ何で、常識人の君がここに居るの』


必殺名前の冷たい眼差し。新八はギクッとした顔をするも必死に口答えをしてきた。


「ぼっ僕はただ、銀さんが僕らの給料分が入ってる通帳をずっと隠し持ってたらしくて、それを土方さんが徴収したって聞いたんで取りに来た結果よく分からず沖田さんに牢屋に入れられただけですよ!」

『いややけにリアルゥゥゥ!!! 普通にリアルだよね。あの人なんかしてそうだよね!!』


これには仕方なく名前も納得する。二日ほどしか彼と会っていないが、彼が史上最強のぐーたら人間で、周りに馬鹿にされていることは分かる。うん、銀ちゃんかわいそう!


『まあいいや。とりあえず此処を出よう。グラさんの力で開けれるかな〜?』

「えーか弱い私にやらせるアルか?」

「神楽ちゃんがか弱いなんて思ったことないよ」

「なんだとコノヤロー!!」

「グエホッ!!ほらやっぱりか弱くない!!」

『とりあえず君達夫婦漫才やってないで、早くしなさい。あの男が来る前に...!』

「もう来てるぜ」


......What!? 名前は勢いよく声のした方に振り向く。間違いない、あの栗色のイケメンは...!


『沖田総悟!!』

「何ですかィフルネームで呼んで。つーかよくノコノコ来れましたねェ。手土産とかないんですかィ?約束ブッチしたのに」

『ええー...てか貴方こそ、この子達もう牢に入れてるじゃないですか!早く開放してあげてくださいよ!』

「はいはい...ちょッと待て」


沖田はガサゴソと後ろから小さい机と椅子を持ってきて、それを名前の目の前に置いた。? と、はてなマークを周りに飛ばしまくる名前を前に、沖田は机の上に契約書と書かれた紙とペンを置いた。これは一体どういうことだろう。嫌な気しかしない。


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