ほっとこう、暴走するような子は
『ねえ、サクちゃん。今日デートしようよ』
「えっ、あ、ごめん名前。今日は野崎くんと用事が…。」
『えー。何それ、超妬いちゃう。野崎なんか放っといて遊びに行こうよ』
「本当にごめんね名前。また一緒に遊ぼう？」
『うーん…絶対だよ？』
「(え…や、止めて名前！その首傾げて言う攻撃は私だけじゃなくて皆にも来るんだよ！ほら、現に今だって皆――！！)」
「(なッんで佐倉になんだよ！！)」
「(おい佐倉！名前の可愛い誘いを断んのかコラァア！！)」
「(佐倉ァア！お前の行動は俺たちに喧嘩を売ってることと同然だぞ！)」
「(そうよそうよ！名前さんは私たちのモノなんだから！千代のモノじゃないんだからね！)」
「(……なんだこの突き刺さる視線と暴言。分かったよみんな！分かってるよみんな！)あ、あのさ名前！前からうちのクラスのみんな名前と話がしたいらしくてね！この後ちょっとだけでいいから、みんなに付き合ってくれない…？」
『えー、嘘だあ。みんな私と話なんてしたくない』
「「「いや物凄くしたいです！！！！！」」」
『…え、そう？』
「だってさ！じゃあね、名前！また明日！」
『えっ、ちょっとサクちゃん！？』
―――――――――――
「名前大丈夫かな…」
「何がだ？佐倉」
「名前がなんか暴走するような気がして…。」
「名字は常に暴走してるだろ」
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