コネタ部屋 - - - - - - - - - - - ▼ 全力で愛す!2(マルコ) 「…やべェ」 どうやらマルコが風邪を引いたらしい。 白ひげ海賊団員が風邪を引くなんて滅多なことがない限りない。この前風邪引いたのは何年前だっけ。それほどない。 若干フラつく足取りでナースがいる部屋へと向かい、薬をもらって大人しく寝ようと思ったマルコだったが、 「受付はここでーす」 ナース達がいるであろう部屋の扉を開け、開ききる前に閉めた。 なんかいた。変態がいた。見たくなかった。ああ、寒気が酷くなった気がする。否、した。 「もう、マルコ隊長ったら照れ屋なんだから」 「そのポジティブはどっからくるんだい。いいから帰れ、海へ」 「隊長が投げ捨ててくれるなら」 「それで嬉しいと思うお前はおかしい」 「マルコ隊長になら何されても気持ちいいですからね!」 「気持ちいいの使いどころが間違ってるよい」 部屋へ入れようとする女の子と、それを頑(かたく)なに拒み続けるマルコ。 数分間争い、風邪で力が入らないマルコが負けた。 イスに座らされ、ルンルン気分で聴診器を取り出す女の子に一つの疑問が浮かんだ。 「お前、サッチんとこの隊員だろい。何でここにいる」 「隊長がいるところならどこにでも出現したいです」 「それとナースはどうした」 「私一人です。……二人っきりですね」 「吐き気がするよい」 顔を赤らめ、近づいてくる女の子にアイアンクローで止めるマルコ。 ギリギリ、ミシミシと音が鳴りそうだったが、女の子は喜んでいるようだった。 「隊長おおおお!」 「痛いだろい?これに懲りて「気持ちいい!」 その発言に手を離し、一発頭を殴ってやった。 「正気に戻れたかい?」 「愛の鉄拳ですね!」 「そうかい、もう手遅れかい」 「隊長限定ですけどね!」 「俺よりお前のほうが診てもらったほうがよくねェかい?」 「隊長に身体の隅々まで診てもらいたいです!もちろん、下半身的な意味で!」 「…」 下ネタ発言ばかりする女の子に風邪の症状は凄まじい勢いで悪化していく。 ともかく薬を貰って部屋に帰りたい。 女の子を無視して薬棚を漁ってそれらしい薬を探すが、医者ではない自分には何を飲めばいいか解らない。 「あ、薬はありませんよ」 「……」 「全部使用期限切れてたんで捨てました。注射ならありますけど、しますか?」 誰も風邪を引かないから仕方ない。風邪を引いた自分が悪い。 そう無理やり納得させ、女の子を見ると、女の子は近くにあったベットをポンポンと叩いている。 そこには注射をするための道具が準備されており、「私が打ちますよ」とでも言うよう微笑んでいた。 「打てるのかい?」 「舐めないで下さい。これでもサッチんとこの隊員です。不本意だけど」 「サッチの隊関係ねェ「はいドーン」――ってェ…。っておい、何しやがる!」 ベットに無理やり倒し、隠し持っていた海楼石の手錠をマルコの片手にかけた。 いくら風邪を引いているとはいえ、一生の不覚! 力が抜けるなか、女の子を睨みつけると女の子はそれすらも快感のようで、恍惚そうな笑顔でマルコを見降ろしている。 「じゃあ注射しますねー」 「おい!何でテメェがベルト外そうとしてんだい!」 「え?だってお約束かなって…」 「テメェにはねェだろうが!」 「ナニが?」 「何ってチ……」 「隊長、ナニが何んですか?」 ニヤニヤと、その先の言葉を待つ女の子。 正直、こんな女の子イヤだ。 「もういい。部屋に戻るからこれ外せよい」 「んー…」 「……早く外さねェと解ってるよな?」 顎に手をそえ、何かを考える素振りを見せる。 「私実はマゾなんですけど」 「言われなくとも知ってるよい。気持ち悪い」 「この光景も悪くないかなって思います」 「離せよい」 「手錠に隊長って組み合わせ最高!興奮しちゃう!その睨んでくる目とか、低い声とかで萌えすぎてお腹が痛くります!もっと攻めて下さい!」 「テメェ本当に覚えてろよい…!」 「じゃあ、もう死んでいいよう隊長を頂きましょうか」 「ふざけんなよい!どけ、部屋に戻る!」 「あ、残念です隊長」 「アァ!?」 「鍵閉めたうえに、壊しましたから開きません」 ようするに扉自体を壊さない限り、部屋から出れませんし、誰も入ってきません。言葉通り、二人っきりですね! その言葉にマルコの身体から血の気が引いた。 ▼ 「お医者さんごっこで10題」 雲の空耳と独り言+α様より ( △ | ▽ ) |