▼ 家庭教師‐01
椅子に座り、机の上に置かれた一枚のプリントを複雑な面持ちで見詰める美雪。
なにかに怯えているかのようなその様子を眼鏡の奥の陰湿そうな細い目をさらに細めて楽しそうに眺めながら、家庭教師の北川は低く言い放つ。
「制限時間は20分。もし満点をとれなかったら……お仕置き、だからね?」
「…っ…はい…」
"お仕置き" その言葉に過敏に反応し、美雪の体がピクリと揺れる。
「それじゃあ、……はい、スタート」
ピッ、というタイマーの音と共に美雪は震える手に力を込め、裏返しのプリントを表に返した。
一問目に目を通し、早速シャープペンを走らせる。
("お仕置き"はもう受けたくない…っ)
その一心で美雪は、一問一問を隅々まで読み、しっかりと間違いなく答えを解き出していく。
昨日遅くまで復習問題を勉強していたおかげで、思わずつまづいてしまいそうな難問もスラスラと問題なく進んだ。
残るはあと3問。
(このまま順調にいけば、全部の解答を見直す時間の余裕もできる)
大丈夫、と自分に言い聞かせて美雪は確かな自信をもって新たな問題に取り掛かる。
…だがそのとき、背後で美雪を見守っていた北川が不穏な笑みを湛え、美雪の体に寄り添った。
「……っ!?」
不意に肩を撫でられ、美雪はビクッと体を強張せる。
「どうしたの? 続けて」
優しい囁き声とは裏腹に北川の手は肩を滑り降り、形を確かめるように胸の膨らみをたどっていく。
「いや…っ! 止めて下さい!」
無遠慮に服の中に手が差し入ってきたところで美雪は耐え切れず声を荒げて北川を睨み上げた。
「…時間、過ぎちゃうよ?」
「……っ!」
残り時間は5分。問題はあと2問。
美雪は唇を噛み、やむなく再び問題に目を向ける。
どれも普通の状態であれば簡単に解ける問題だった。
しかし…解くことを北川は許してはくれない。
「…んっ…!ぃ、いや…っ」
服からさらにブラの中に指を進め、探り当てた敏感な突起を北川指の先で摘み、ゆっくりと左右に捻り上げる。
「これくらいで問題が解けなくなるなんて、集中力がない証拠だね」
「そんなっ…ぁあっ!!」
ギュッとそこを強く摘まれ、美雪は思わず甲高い声を上げて体をビクンと仰け反らせた。
──ピピピピピピッ…
そこで無情にもタイマーの音が鳴り響いた。
残り2問が空白のまま…。
「……っ…」
手から逃れた胸を庇うように腕でおさえながら、美雪は青ざめた表情で北川を見上げる。
「…あーあ。お仕置き決定…だね?」
「…っ、だって…! 先生が…!!」
「何? 口答えするの?」
「……っそ…そんな…っ」
今にも泣きだしそうな美雪を見下しながら北川はますます醜悪に笑みを歪める。
「出来の悪い子にはしっかり罰を与えなきゃね」
そう冷ややかに吐き捨て、北川は持ってきた鞄の中を鼻歌混じりにあさり始めた。
「や…だ…っ、"アレ"は嫌…っ」
「ん? …アレって何のこと?」
「っ…ロ…、ローター…」
その名を口にすると同時に、美雪の下腹部がドクンと重く脈打った。
前回のお仕置きで美雪はローターで何度も何度も強制的にイかされ、最後には失禁までしてしまったのだ。
思い出すだけでも羞恥が湧き上がり、強力な振動で責められ続けていた秘部が逃げられない快楽に怯えて疼く。
「大丈夫だよ。今日は使わないから」
「…えっ?」
(使わないの…?)
それを聞いて美雪はホッと胸をなで下ろした。
…だが、その気休めの安堵感は一瞬で砕かれてしまう。
北川が取り出した物を目にした瞬間、美雪の頭の中は真っ白になり、予測出来ない恐怖が体全体に駆け巡った。
男性器の形を型どり、所々小さなイボが付いたおどろおどろしい形の真っ赤なバイブ。
実物のバイブを初めて目にした美雪はただただ恐怖に怯えるしかなかった。
「パンツ脱いで、ベッドに横になって」
「…ぃや…嫌っ…! そんなの、無理…っ!」
「うるさいなぁ。早く脱げよ。…それとも、無理やり入れられたいの?」
「…っ!」
刺すような鋭い瞳に睨まれ、背筋が凍り、許しを乞う言葉が喉でつっかえる。
逆らえば何をされるかわからない…。
美雪には素直に従うという選択しか残されていなかった。
瞳を涙で濡らしながら下着を脱ぎ、静かにベッドに横たわる。
「痛くならないように、ローションつけてあげる」
そう言うと北川は鞄から透明の小さなボトルを取り出した。
ベッドに座り、ボトルの蓋を開けると中の液体を己の指に絡ませ始めた。
トロトロと粘り気の強いその液体が卑猥に北川の指に絡めとられていくのを美雪は不安な表情で見守る。
「…震えてるね。怖いの?」
「っ…あ…!」
ローションをつけていない方の左手で北川は閉ざさっている割れ目をそっと撫でる。
ピクリと反応する美雪を見て口角を釣り上げ、そして静かに囁く。
「…膝立てて、脚広げて」
美雪は言われるままに脚を開いた。
他人に見られたくない一番恥ずかしい所に北川の視線を痛いくらいに感じ、羞恥で体がどんどん熱くなっていく。
「…ん…っ」
脚を開いたことで少しだけ露わになった恥部にローションのついた指があてがわれ、ローションの冷ややかな感触に美雪はゾクリと背筋を震わせた。
微かな水音を立てながら全体を撫で回し、充分濡れたところで指に余ったローションをバイブに塗りたくり、それを淫猥な入り口へ持っていく。
「っ…ぁ、っあ、うぅう…!」
バイブは硬く閉じた蕾をこじ開け、ローションを滑らせて強引に美雪の中へと埋まっていった。
美雪は体を突き抜けていく裂かれるような痛みに身を震わせ、苦悶の声を漏らす。
「やっぱりいきなり挿れたら痛いか。美雪のここはまだまだ幼いからねぇ」
「ぁうぅっ…! い、痛いっ…やだ、抜いてぇ…っ!」
「大丈夫、すぐ気持ちよくなるよ」
北川は苦しそうにヒクつく秘部をじっくりと観察しながら、根本まで沈み込んだバイブを少しずつ引き抜いていく。
「ぁっ…!ふぁ、あ…っうぅ…!」
異物を突き込まれ、途端に敏感になった肉壁をバイブの側面の凹凸が引っ掻き、快感を揺すり起こしていく。
痛みの中にわずかに芽生えた疼きに、美雪は戸惑いながらも上ずった声を漏らした。
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