▼ 第2話‐02
「グッチャグチャに濡らしてるくせに、よく嫌とか言えるよな」
「…っふ!ううぅぅッううーー!!」
強烈な刺激に悶え、ビクビクと痙攣を続けていた膣口にカズヤの指が侵入していく。
そこはカズヤの言うとおり淫らな体液にまみれ、数本の指をいとも容易く呑み込んだ。
こんなの快楽じゃない
気持ちよくなんかない
心は苦痛の悲鳴を上げているのに、それとは裏腹に卑猥な水音を立ててしまう自分の下半身が憎くて、恥ずかしくて、とめどなく涙が溢れる。
「うわ、すっげー締まり良くなってる」
「んっ!んんんっ!ふ…ッううううぅっ!」
深いところまで埋まった指が愛液を掻き混ぜるように蠢いて内側を刺激する。
頭の中が真っ白になるような衝撃がビリビリと体中を駆け巡って、私は『もうやめて』と言葉にならないくぐもった声を上げながら身体を仰け反らせて身悶えた。
まだ一度もイッたことのない私の体は、この初めて受けるあまりにも狂暴な刺激をどう消化すればいいのかわからず、ただひたすらに体内に溜め込んでいくことしかできなかった。
下腹部で煮えたぎる衝動を解放させて楽になりたい。
けれどそのきっかけが掴めない。わからない。
それでも淫核に当てられたローターは容赦なく性感を揺さぶり続ける。
酸欠で霞んでいく意識の中で私は、もう嫌だ助けて、と強姦をされているかのような悲鳴を幾度も叫んでいた。
「…そろそろ俺のが欲しくなってきたんじゃねーの?」
「……っ!」
その言葉を聞いて、真っ白に淀んでいた思考が少しだけクリアになった。
カズヤの欲情が治まれば、この拷問から解放される。
そう希望を抱いて私は何度も首を縦に振った。
「俺のじゃなきゃイけねぇんだろ?」
挿入されてイッたことなんてないけれど、私は鼻にかかる甘ったるい声を作りながら大きく頷く。
「ほんっと淫乱だよなぁお前って」
「ふあ…っ! っう…」
膣から指が引き抜かれ、そしてローターの獰猛な唸り声がピタリと止み、倉庫内が一気に静まり返った。
…やっと…、やっと終わった…
そう思った途端に体中の力が抜けて、自分がどこにいるのかわからなくなるような浮遊感が襲った。
ガクガクと痙攣を続けている下半身をカズヤに掴まれ腰を持ち上げられる。
焼けるように熱い秘部にカズヤのモノが押し込まれていく圧迫感を感じながら、私は溶けるように意識を手放した。
・ ・ ・ ・ ・
…頭が痛い。
全身が重い。息苦しい…。
沼から這いずり出るような鬱屈とした感覚で目覚めると、視界いっぱいに年期の入った跳び箱が映り込んできた。
その跳び箱にもたれ掛りながら体を起こす。
巻かれていたハチマキは全て解かれていた。
けれどカズヤの姿はどこにも見当たらない。
…先に帰ったんだ…。
ていうか私、どのくらい寝てたの?
時間を確かめようと、スカートのポケットから携帯を取り出すと、受信を知らせる赤い光がチカチカと点灯していた。
メール…? あっ、カズヤからだ…!
気を失ってしまったことに怒っている内容かもしれない、と不安にかられながら恐る恐る本文を開く。
『ローター良かっただろ?俺もすげー興奮したwまたヤろうな!』
お気楽な笑顔の絵文字つきのメールを読み終えて、私は小さくため息をついた。
…怒ってなくてよかった。でも、またあれ使われるんだ…。
複雑な気持ちで
『凄い気持ちよかったよー☆ 何回イッたかわかんない>< 次も楽しみにしてるね♪』
と返信をして、もう一度ため息をつきながら携帯を閉じた。
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