遠山金太郎


 次のクライエントは誰だろうね?──なんてクジラのぬいぐるみに話し掛けていたら……

「入るでーーーっ」

 バッシャーン。

 ……四天宝寺中1年の遠山金太郎くんが勢いよく降ってきた。相変わらず元気いっぱいだね。悩み・・・とか、あるのかな。

「あんな〜、教えてほしいことがあるんやけど……」
「うん、何かな?」
「オナニーのやり方、教えてほしいねん!!」
 ええっ!?
 いや、教えるのは構わないんだけど。
「白石くんとかに聞いた方が……」
「あいつらワイに嘘ばっか教えるんやもん」
 そっか、きっと何でもすぐ信じちゃうから面白がってるんだろうなあ。遠山くんて素直でカワイイよね。四天宝寺の先輩達の気持ちも分からなくないかも。
「せやから、オナニーやって見せて!」
「僕が! ここで?」
「ワイ、説明されても覚えきれんもん。なぁなぁ、頼むわ〜、このままじゃワイ、立派な大人になられへん……」
 う〜ん、実はすごい羞恥プレイを強要されているんじゃ……でも悩んでるなら力にはなってあげたいし。
「遠山くん、夢精はもうあった?」
「むせいってナニ?」
「朝起きた時に下着汚しちゃってたこととかない?」
「ああっ、アレおねしょかと思うとったわ〜」
 精通も経験済みだし、オチンチンの皮もめくれてるみたいだし(つい見ちゃった)、自慰は決して悪いことじゃない……。
「──わかったよ、じゃあ見ててね」

 洗い場にバスマットを敷き二人少し離れた位置にペタリと腰を下ろす。
「楽な姿勢でね」
 僕は彼によく見えるように脚を開いた。
「キレイな色やな〜」
 彼の好奇心旺盛な視線が僕のアソコに注がれる。うぅ……顔から火が出そうなほど、恥ずかしいよぉ。
 そっと握ったら僕のオチンチンは既に堅くなっていて、軽く上下に動かすと先っぽが濡れてクチュクチュという音がバスルーム中に響いた。
「あ……ふっ、くぅん」
 自然とはしたない声も溢れ出てしまう。
「アカン……なんかワイ、不二見とったらチンコがムズムズしてきたわ」
「遠山くんも勃っちゃってるね……見よう見真似でいいから自分の……弄って、みて」
 その言葉を聞くや否や彼は激しく自分のオチンチンを擦り始める。
「アカン! これ、気持ちよすぎて、アカンわ……っ!」
「僕もっ、気持ちいいっ……!」
 ドクッドクッ! ピュッと互いの精液が飛ぶ──初めて自分の意志で行った射精は思いの外、彼の体力を奪ってしまったようで、しばらく彼は心地よい疲労感に任せて僕にもたれていた。

 その後は二人で体を洗いっこしたりしながら楽しいバスタイムを過ごした。

「なぁなぁっ、また分からんことあったら聞きにきてもエエ?」

 いいよ。でも、お手柔らかにね──。


 END


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