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「あまぞ、らく…」
「咲弥は、俺のこと好き?」
「んんっ、す、すき…」
「うん、俺も…」

小さくて華奢な手は、男らしい手にすっぽりと包まれてその細さを確かめるように握られる。そんな事をされていると不思議なもので、気持ち良すぎて触ってほしくなかった後孔を、今度はまた触れてほしいと望んでしまうのだ。

「ね、さ、最後まで、するの?」
「ん?もちろんそうだよ」
「あの、私、初めてなの。だから、は、恥ずかしくて…」
「恥ずかしがる事なんてないよ。自分で分かってるだろ?咲弥の体は何処もかしこも綺麗で恥じる部分なんて無い」
「でも、こんな格好、やだ…ぜ、全部見えて…」
「全部見たいんだよ」
「でも、やだ…やだぁ、やさしくして…」
「はぁぁ、あーもぉ、かわいいなぁ…」

好きだと言うのなら優しくしてほしい。体の奥が切なくて震えているのが分かる。万里に触ってほしくて求めるように入口をひくつかせて、達したばかりの陰茎はまたゆるく勃ち上がりかけている。
こんな姿をまじまじと観察されるのは流石に怖くて、子供のように「やだ」と涙を流すと、万里は嬉しそうに笑いながら目尻にキスを落とした。

「いいよ、特別」

すると、ブラッサイアはゆっくりと力を緩めて解けると、咲弥の足から離れて行った。

「はあ…」
「おいで」

解放されてぐったりすると、今度は右隣に万里は寝転び、咲弥の首の下へ自分の左腕を入れてこちらへ向くように抱き寄せた。
所謂、腕枕をされている状態でお互いに向かい合うと、彼はスエットをぬい2大きな陰茎を取り出す。そして、右脚を咲弥の足の間に入れて閉じられないようにした。

「触り合いっこしよう」
「…え、わ、私も、触るの?」
「うん、お願い」

右手で手を掴まれて、先ほどされたように手の上から万里の陰茎を握るようにぐっお押される。ドクドクと脈打ち、さっき触った時よりもずっと大きく膨れているそれは少しだけ濡れていて、いやらしく咲弥の手を汚す。

「握って、扱いて?」
「っ……」

指を曲げられ完璧に陰茎を握らされると、親指と中指が届かないことに気付いた。それ程太いのだと知らしめる陰茎に、自然と喉を上下させて恐る恐る上下に動かす。

「はっ、」
「……」

すぐ近くにある万里の口から、艶かしい息が漏れた。そしてすぐに囁くように「気持ちい」と言われ、咲弥の目に生理的な涙が浮かぶ。腕枕をしている左腕は、咲弥の頭を撫でるように曲げられ、その長く美しい髪をすいたかと思うと小さな耳朶に触れて擽ってくる。ついでに指先で頬も擽られる。そんな事をされていると、こちらが愛撫をしているというのに、まるで自分の陰茎を扱かれているような気分になってきた。

『また…』

お腹の奥の方が何だか重たい感じがしてくる。熱が集中してゆっくりと持ち上がり、静かに雫を垂らした。

『触られてないのに…』

しとしとと濡れていき、尻の奥も再び疼き出し、触ってほしそうにキュッと締まった。
もじもじと腰を揺すりたいけれど、がっちりと万里の足が間に入っているので、少しでも動かしたらバレてしまう。それは恥ずかしくて避けたいから、彼の陰茎を両手で扱きながら心の中で早く触ってと訴えるしかない。
だが、そんなこと万里にはすぐに分かってしまうのだ。

「そのままゆっくり扱いてて、俺もしてあげるから」
「ん!」

突然、陰嚢辺りに温かいものが広がった。驚いて下を見ると、それは適温に温められたお湯で、無重力の中に放たれたかのようにふよふよと揺らめきながら、陰嚢や後孔にまとわりついている。

「あったかくて、気持ち良いよね?」
「ぁ、ん…」

万里が魔法を使っているのだ。この前されたように温かい水を潤滑油にしている。

「大丈夫だよ、咲弥のここはこの前散々柔らかくしたから」
「あっ、やっ、ぁあ…!」

彼の右手が下肢に伸びていき、尻の狭間に触れたかと思うと、長い中指を挿入してきた。

「ひぁっ、んん!」