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明るい照明。
革張りのアースカラーのソファに、流木のような一枚木の大きなテーブル。
毛足の長い絨毯はとても良い物なのだろう。物凄くふかふかで布団にくるまっているようだ。
壁には何枚も貼られた海外のバンドのポスター。強い照明と長い前髪のせいでほとんど顔が見えていないから、桜介から見たら皆同じ人にみえた。どれも鷹臣の趣味だ。

そんなリビングで、風呂から出たままの姿で絨毯に寝かせられ、桜介は鷹臣と躰を重ねていた。

「あぁ!あっ!んぁぁっ」
「は、どうだ?この辺、好きだよな…っ」
「ひぁ!んっ、んっ!ぉくは…!」

正常位の体制で足を開かされ、細い腰を引き寄せるように掴まれ、律動されている。

たっぷりと愛された後孔に、鷹臣の大きいそれが挿入されるまで、二度射精した。その為、躰は疲れ切ってしまいぐったりと横たわることしか出来ない。

子供特有の硬さを持った躰に、杭が打ち付けられているような律動は、苦痛でしかなかった。
躰の芯を裂くように、ガンガンとくるそれは痛いし気持ちが悪い。
そう感じているせいだろうか、その苦痛をどうにか快感に変換させ、少しは苦しさを和らげたいと躰が願ったようで、少し奥のほうを鷹臣に突かれると、快感の波が押し寄せてくるようになった。
特に上側を擦られると堪らない。ざわざわとした官能が指先を痺れさせ、小さい口からあえかな声を洩らす。

「だから、その奥が好きなんだろ…っ!」
「ぁん!…も、ィかな、いかないから…!せぇし、でないぃ…!」
「出なくても、空イキってあんだよ」

額から垂れる濡れた前髪を掻きあげ、舌なめずりをするように厚い唇を舐める鷹臣は扇情的で、流れる汗が更に彼の色気を増幅させている。
少し潤んだ熱い瞳を見ると、余裕そうな口振りとは違い、しっかりと快感に浸かっているのが分かった。
神秘的でエキゾチックなタレ目は、うっとりと濡れていて、桜介を映している。水鏡のように揺れ動き、とても美しいのに、空イキなんて下品で恐ろしい事を言うこの一面が、桜介を恐怖させた。
普通の女性ならこの彼の色気やサディスティックな雰囲気に一気に酔うのだろうが、自分は彼に酔うことなど出来ない。常に拒絶をしているのだから、いい加減解放してほしいと願うばかりだ。

「ゃ、できな、できなぃです…そんな…ぁ!」
「出来るかどうか、やってみなきゃわかんねーなぁ」
「あっ、あぁっ、は、はげしくしな、でぇ…ん!んんっ」

両足を抱え込まれ、ぐりぐりと旋回するように突かれる。
大胆な抽挿ではなく、弱い奥部分ばかりを刺激する動きに、ちかちかと星が飛ぶような感覚がした。
強すぎて、気持ち良すぎて何も考えられない。
気持ちに反して後孔はひくついて鷹臣の陰茎を銜え込むし、躰中むず痒いような甘ったるい感じになっている。
せっかく風呂に入ったのに背中や首は汗で濡れて滑り落ちる。それにすら快感を得てしまった。

「やぁ、せんぱぃ、せんぱぁい…!」

思わず甘い声で呼ぶと、目の前の男は満足そうに微笑む。
桜介のふくらはぎを甘噛みし、もっと呼べと言うように腰を揺すった。
ローションで濡れてぬかるんだそこからいやらしい音が立ち、羞恥から顔を隠し、せんぱい、と啼く。
満足して早く終わってほしいから、媚びた声を上げた。
羞恥と恐怖と官能が混ざりあった躰を早く解放してやりたい、その為には、鷹臣を満足させるしかないのだ。

「ぁ!あん、はぁんっ…ゃ、ぐ、ぐちゃぐちゃしちゃ…」
「メグは、ぐちゃぐちゃされんの好きじゃねーの?…ん、ふ、」
「うっ、んんっ…ゃ、わかんなぃ……あ、イッ、イッちゃ、から…!おちんち、へんになっちゃ…!」
「へえ、変になんのか…いいなそれ…っ」

べろりとふくらはぎを舐め、鷹臣は楽しそうに喉奥で笑う。
熱く勃起したそれはさらに硬さを持ち、桜介の中を犯し始めた。
大きい物で突かれ、もう訳が分からなくなる。スイッチを押されているみたいに声がひっきり無しに出るし、もう勃起せずに垂れているのに陰茎からはぴゅるぴゅると体液が零れた。

何もかもが熱い。躰も、頭も、触れ合っている腰も体内も。
ふわふわしてきた思考はいやらしさ一色に染まり、絶頂へと集中している気がする。

「ん、おしり、ぉしりが…うごいちゃぅ…!」
「ケツ?……ああ、メグん中すげーヒクヒクしてんな。気持ちいーわ…は、やべ、イキそ」
「あ!あっ!ゃ、いやぁ、へんっ!へんだよぉ…!あぁっ、せんぱい、せんぱい…!」

力が入らない筈なのに、変に肩は突っ張り、尻にも力が入った。
中が蠕動しているのが分るくらいうねり、鷹臣を喜ばせている。
彼の逞しい太腿がバチンとぶつかるくらい揺さぶられ、ローションの粘ついた音と、微かな息遣いに耳まで犯された気がした。