∴ 1 夏、恵桜介・中学一年生 白河鷹臣・中学三年生 スイレンの甘くすっとした香りが、桜介の躰を心地良く包む。 その香りの元は浴槽の湯を乳白色に染める入浴剤で、桜介は先程までこの湯に浸かり、躰を温めていたのだが、今は浴槽の縁に腰掛け、目の前の男に脚を開いている。 その男は、腰にタオルを巻いて、桜介の脚の間へ躰を入れて跪いていた。 「ゃ、ぃゃです…やめてくださぃ…」 「痛い事はしないっつってんだろ?」 「でも…」 男の名は白河鷹臣。中学三年生にしては175センチと背が高く、筋肉も発達している。まだ160センチに満たない小さな躰の桜介にはとても巨大に見えて、抗いたくとも抗えない状態だ。 手足は子供特有の細さで、ひょろひょろとしてひ弱。手も小さいし、もしかしたら同年代の女子より頼りないかもしれない。 対して鷹臣は腕は太いし、腹筋も割れている。足の筋肉だって、石が入っているかのようにぼこぼことしている。 そんな男を突き飛ばし、浴室から逃げようなんてことは到底出来るはずもない。 そして鷹臣の手にはT字剃刀と、剃毛用フォームの缶が握られている。彼はこれから、桜介の陰毛を処理しようとしているのだ。 「でもじゃねえって。ほら」 「きゃっ」 そんなところなんて処理しなくていい、と言っているのに、鷹臣は聞く耳を持たない。股間を隠すように内股になっている脚を大きく開かせ、その部分をまじまじと見つめてくる。 「はぁ、メグのここ、すげーカワイイ…」 「ぁ、ぃゃ」 彼の熱い視線に曝され、桜介は目に涙を滲ませた。鷹臣のものとは違い、自分のは全く立派とは言えない代物だ。大きくもないし、形だって子供そのもの。桜介の貧相な躰と同じように、貧相でおこちゃな大きさをしている。 そんな自信がない所をじーっと見られるのは苦痛でしかなく、じわじわと涙で瞳が濡れてきた。 「つるっとしてて、白くて…やっぱメグは全部キレーでカワイイな…だからここもキレーにしないと」 「いゃぁ…」 見られていることが恥ずかしく、両手で顔を隠した。それでも鷹臣の熱い吐息は感じる。ハア、と吐き出された息が濡れた性器にかかるのが分るくらい、近いところに顔があると知らしめられ、身体中を朱色に染めた。 つやつやとしたゴム鞠のように滑らかで、まだ男特有の硬さを持たない、甘い肌が羞恥で染まるのはとても妖艶で背徳的でもあり、鷹臣を興奮させる。 桜介はそんな事には気付くはずはなく、ただただされるがままだ。 「ちょっと冷たいからな」 「っ…」 プシュ、という音の後、性器に冷たさを感じた。フォームを塗られたのが分かる。 性器周辺に伸ばされ、また足されて伸ばされる。 シュワシュワとした感触に、とうとう陰毛を剃られるのか、と泣きたくなった。 萎縮したように縮こまり垂れている性器の上辺りに、別の冷たい物があてられる。 「動くんじゃねーぞ」 その言葉から剃刀だと分かり、息を呑んだ。刹那、ショリ、と軽い音が耳に届く。無情にも剃られたのだ。 「メグのチン毛、薄いから剃りやすいなー」 薄いならわざわざ剃らなくてもいいじゃないか、と言いたいが、今の桜介は恐怖で何も言えない。 大事な部分に剃刀があてられているということは、少しでも動いたら切れてしまうということ。そんな所を切るなんて恐ろしくて絶対に動けない。 羞恥と恐怖で奮えているのに、鷹臣はお構いなしに桜介の性器を指で摘み、向きを変えたりして剃毛を続ける。 「おー出来てきた。メグ、チンポの周りキレイになってきたぞ?」 「ぃ、言わないで下さい…」 「は?何でだよ?すげーキレイになったんだぜ?あ、メグはチンポもキレイだったな」 「ぅ、だから…ゃです…」 揶揄するような言い方に、やめてくれと頼んでも、鷹臣は笑うだけ。 一度洗われてはまたフォームを塗られ、剃られる。ショリショリとした情けない音が否応なしに浴室に響き、桜介の躰が更に赤く染まる。 そして、薄い陰毛での剃毛はあっと言う間に終える。 「おお、キレーになったじゃん」 その言葉に、やっと終わったと安堵した。短い時間だったのだろうが、桜介からしたら恐ろしく長い数分だっただろう。 そんなところをずっと見られたり触られたりするのは終り。これで解放されると思うと安心して、薄い笑みが零れた。 だが、ショックを受けたことにはかわりない。 「見てみって」 手を退けるよう言われ、恐る恐る自分の下半身を見下ろす。 |