熱の条件 | ナノ






「挿れて、いい?」
「うん、うん…」

もっとしてほしいから素直に頷くと、両足を抱えられた。どちらのものか判らない汗で滑る。
桜介もアキラも、躰中びしょびしょだ。
部屋の中がサウナのように暑くなっているのかと錯覚するくらい。

「んっ」

温かくてつるつるとした物が入口にあてがわれた。
それは濡れていて、滑りが良く、そして硬い。

『あきらくんのだ…あきらくんの、おちんちん…』

とうとう彼の物が挿入るのか…そう思うと、後孔が歓迎するようにやわらかく蠢いた。

−ず、ずちゅぅっ…

「ぁ!はんっ」

亀頭部分が侵入してくる。濡れそぼったそこに滑り入るように、つるんと先端が挿入った。
指とは比べ物にならないくらいの質量…それが、窄まった分厚い肉を広げて、全てが快感へと繋がる内壁をこれでもかと擦る。

「あっ、あんっ、ゃ、はいって、やぁ、おっきぃ…!」
「んっ、」

そのままずるずると長いストロークをかけて、アキラのものが来る。ぬかるんだ媚肉を擦り、味わうかのようなゆっくりとした動きで、怒張したそれを押し込んできた。

「っはぁ、」
「あぁ!はぁんっ!」

太いというよりかは長い。
ぴたりといい所にフィットする長さのアキラの陰茎は、全て収まると動かなくとも"その部分"に当たる。
何もしなくても、挿入されただけで気持ち良くて、はあはあと荒くなる息を止められない。
そして、アキラのものが胎内に挿入ったということが、望んた通り、彼に支配されたようで、胸の中がざわざわと沸き立つような感じがした。

「はあ、すごい、桜の中、すごいね…こんなんなってるんだ…嗚呼…」
「あきらくぅん、あきらく……ふっ、うぅ…んっ…」
「嬉しい。やっと一つになれた。ずっとずっと、これを望んでいたんだ」
「ぼくも、です、ぼくも、嬉しいっ」

ゆっくりと腰が揺れて、中のものが動く。それと連動するように、桜介の内壁もひくついてアキラを喜ばせる。

「んっ…凄い吸い付いて…色んな角度からうねうねして、気持ちいいよ。簡単にイッてしまいそうだ…」
「やっ、えっちなことは、いわないでください…」
「うん、ごめん…でも、桜に気を使ってられないかも。やばい…」
「あ!ぁん!」

片目を眇めて、辛そうに笑ったかと思ったら、いきなり抽挿が始まった。
下生えがジャリ、とあたるほど、彼の陰茎でぐりぐりとされたかと思うと、すぐに途中まで抜けていき、勢い良く奥を突いてくる。

「あっ!あぁっ、ふぁ!」

それは目の前に星が飛ぶほどの快感で、本能のままにピストンをされるたびに、勝手に声が溢れた。
まるでおもちゃのスイッチが入ったかのように、下から突かれるたびに声がもれるものだから、体がおかしくなってしまったように感じた。
中から生まれる摩擦は熱くて、気持ち良くて、貪欲に求めてしまう。まるで底が無い。

「は、ぁっ、一回、出すね……っ!」
「ああっ、やぁっ!うぁっ、んっ!」

−パンパンパン!

皮膚と皮膚がぶつかり、大きな音が立つ。ゆるやかな挿入とは違い、我慢できないというような律動は、アキラの余裕のなさを充分に示した。
全力で桜介を感じ、感じているアキラの顔はセクシーで、桜介も余裕がないのにときめいてしまう。
口を微かに開け、少し辛そうな情熱的な目で自分を見下ろし、汗を流しながら腰を振る姿…それだけで、桜介も絶頂に達しそうだ。

そして、一瞬動きが緩んだかと思うと、たがが外れたかのように、より激しいものとなる。

「っ!イ、ク…!!」
「ぇ?あっ、あぁぁっ!」

切羽詰った声で宣言したアキラは、ぐうっと陰茎を捩じ込み、腰を奮わせた。
何かに堪えるように力んだ表情をし、奥歯を噛んでいる。
同時に、腹の中に広がる。あたたかいもの…

『あ、出されちゃった…』

じわじわとあたたかいそれは、アキラの精液だ。

『奥に、アキラくんのが…』

何となく、自分の手を腹に置く。
この中に、アキラが精子を出した。その感触が、彼が先程犯してあげると言った通りだと伝え、アキラに汚された事に歓喜する。