熱の条件 | ナノ



12


そして桜介の両足をこれでもかと開くように抱えられると、一気に怒張した陰茎を押し込まれた。

「いやぁぁ!やだぁ!だめっ!」

閉じられず、何も隠せない状態のまま挿入されてしまい、もう塞き止めることなんて出来ない。
中から押し出すようにして、それはどっと飛び出す。

「やだやだやだ!見ないで!やだ!ごめんなさい!」
「は、すごっ…」
「いやぁ!!」

小さな陰茎の先端からは、精液とは違う体液がしょろしょろと溢れて流れ落ち、フローリングを汚す。
慌てて陰茎の根本を握ったが、それはなんの意味もなさずに、尿は溢れた。
粘付きのないその体液の放出は恐ろしい程気持ちよくて、勝手に尻をキュンキュンとさせているのが憎らしい。

「やらしいね…こんなエッチだと思わなかった」
「違うの、ごめんなさい、ごめんなさい…ひっく、ううっ、うっ」

アキラに見られた事がショックで、それでも気持ち良くて、何が何だか解らないまま桜介は泣いた。

「もおやだぁ、いやぁ、見ないで、お願いします…」
「おもらししちゃうくらい気持ち良かったんだね?」
「そ、んな、わかんな…ひっ、うう」
「分かるでしょ。お尻の中痙攣してる。いいよ、俺と桜しかいないんだから思い切り気持ち良くなって沢山汚してよ」

そう残酷なことを言う彼は、もっと出してと言うように前立腺をぐりぐりと押してくる。そうすると放出は勢いを増して、ぴゅっぴゅっと飛ぶものだから、桜介は更に真っ赤になって泣いた。

「やだ、ごめんなさい、ごめ、なさ」
「謝らないで。可愛いんだから大丈夫だよ?」
「いや、こんなの、やだ、はしたない、もう見ないで下さい…」
「それは無理かな。桜がワンちゃんみたいにおもらししてる所なんて初めて見たんだから。もっと見せて?…んっ、ほら、」
「あっ!あっ、ああっ!」

それからはベッドの上で沢山いじめられた。「おもらしした姿可愛かったよ。トイレに行くたびに桜のこと思い出しちゃうかもね」なんて意地悪を言われ、その言葉に感じた桜介は何度も精液を飛ばすのだった。

人間の尊厳を踏み躙られるようなセックスは、桜介に至福の時を与えたのだった。



再び風呂に入り、その間諸々の片付けをしてくれたアキラと、綺麗になったベッドに寝転ぶ。
今度は裸ではなく、二人ともちゃんとパジャマを身に付けて、だ。
とんでもない姿を見られてしまった事に羞恥しつつ、桜介はアキラにくっついた。

自分の右隣で横になるアキラは、プレゼントしたメガネケースにメガネをしまっている。

「それ、使ってくれているんですね」

テディベアのお礼の意味を込めての贈り物を、実際に使っている所を見るのは嬉しい。
普通のメガネケースではなくて、メタリック素材とレザー素材を合わせた筒状のもので、スタイリッシュな彼に似合うと思ったのだ。

「勿論だよ。カッコイイし、使いやすいんだ。いつも持ち歩いているよ」

長い腕が伸びてきて、桜介の首の下に入る。腕枕をされた状態から抱き寄せられて、そのまま軽くキスをされた。

「それとお守りにしているんだ。テスト前とか、上手くいくか判らない問題に遭った時に、このケースにキスをすると事が上手く運ぶんだよ」
「えー、本当ですか?」
「本当だよ。洋画でよくコインで運命を決める時にコインにキスするだろう?そんな感覚で俺も真似したら、テストの出来が良かったよ。自己採点だけど、多分満点が三つはあるかな?」
「え!?すごい!じゃあ僕もテディベアにキスしてみますね!」

本当は寂しくなる度にキスをしているのだが。まあそれは秘密。
甘えるように彼の胸に頬を擦り付けると、アキラはほくそ笑みながら溜息を吐いた。

「でもこの前ちょっと危なかったんだよね。テスト前にさ、泉くんが勉強教えてほしいって部屋に押し掛けてきて」
「泉くん?泉悠人くんですか?」

泉悠人はクラスメイト。嗣彦のような明るい髪色をしていて、化粧をしているのか目がぱっちりと大きく睫毛が長い。瞳もディファインのコンタクトで大きく見せているオシャレさんだ。
垢抜けていて目立ち、彼の事を可愛いと思っている男は多いように見える。
確かに、アキラの事を気にしているような場面をよく見るが、まさか部屋にまで行っているとは思わなかった。

「一応俺、ストレートで通しているだろう?それなのに彼は俺へのアピールをやめないからちょっと警戒していたんだけど、断る理由がないから部屋に入れたんだよ」
「…そうですか」
「あ、疚しいことは何もしていないよ。真面目に勉強はしていたんだ。でも、テーブルの傍らに置いていたこのケースが気になったみたいで、ちょっと触られて…それは凄く嫌だったな…」






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