血塗れた黒と煌やかな白

※フレエス←ユーリぽい
※ユーリちょっと病んでる



仲間の『絆』という目には見えない固い鎖に縛られて、彼女との距離は他の男どもより確かに近いはずなのに、その隣のポジションへとは完全に居座ることができない。

罪人という意識が強いからか、それとも、なんだろうか。


傍にいたい。
彼女の暖かみを感じたい。
確かにそう望んでいるのに 心までは奪えないのかと自分の中で望みはあっさりと打ち砕かれる。
何もしていないのに、勝手に結論付けて。

そんな風になってしまうのは――ほら。


目を向ければそんな彼女と、親友。

物心ついたころからの仲であるヤツはオレにとって頼もしい存在である一方、憎たらしいのも事実。

ガキの頃からかけっこだったり剣の腕だったり、勉強なんて言うまでもない。

ヤツは常にオレの上を行く。
そしてオレが望むものも容易く手にするんだ。

昔も、今も、きっとこの先も。


とにかく、目を向ける度に胸が苦しくなるというのにどうしても、見てしまう。

彼女の愛くるしい笑顔はヤツの隣で満開に花開いて、そこから読み取れる彼女の感情がオレを苦しめる。


どうせならオレの隣で笑ってくれ、そう願いつつも オレの隣で咲いても穢れちまうか、なんて 自嘲めいたことも同時に思ってしまって。

酷く淀んだ罪の色が混じるよりかは、 いっそ潔癖なまでに白く輝く方が、と。



血塗れた黒と煌やかな白


そうしていつか願うことさえ諦める


***

親友の存在に若干コンプレックスを抱くユーリさん。
たまには叶わぬ恋の話も書いてみたかったので。

自分より優れた何かをもつ友人って尊敬もするけど若干憎たらしくもなります。

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