▼ひなまつり
※現代パロな上にユーリとリタが幼なじみだという相変わらずぶっ飛んだ設定です。幼児期です。普通に両親健在してます。
苦手な方はお戻りくださいませ。
「ひなまつり?」
なにそれ、ひよこでも食うのか?なんて言ったらリタのお母さんにそりゃあもう笑われてしまった。
今日はリタの家に遊びにきている。
大抵はフレンの家で三人で遊ぶのだがフレンは今日用事があるとかで遊べなくて。
どうしようかと思っていたらリタのお母さんがよかったらうちで遊びなさい、って言ってくれたから、リタの家に来たのだ。
リタの家に来たのは今までに何回もある。
でも、今日は少し違った。
いつも来たときに遊んでいる和室がある。
だが、今日はその部屋に赤い階段みたいなのがあって。
初めてみるそれに、オレは妙にワクワクしていた。
「リタ、これなんだ?」
「はあ?あんた、知らないの?ひなまつりよ」
そして冒頭の発言に戻る。
「これもおまえの父ちゃんがつくったのか?」
「ばかじゃないの?いくらなんでもむりでしょ」
リタのお父さんは色んなものを作る趣味がある。
容赦ないリタの発言にと頬を膨らましているとふふ、と笑いながらお母さんがジュースとなんかせんべいみたいなお菓子を机に置いた。
「リタ、ユーリくんは男の子だもん、知らなくてもしょうがないわ」
雛祭りというのは簡単にいうと女の子の祭りで、この日が近くなると雛壇に雛人形を飾って女の子の幸せや成長を祝うんだとか。
ちなみに今オレが食べているのはひなあられって奴らしい。
甘くて美味しい。
お母さんはそう簡単に説明して、再び部屋を出ていった。
「男はこいのぼりとかごつい人形かざるでしょ」
「ああ、あれと同じか」
鯉のぼりがいっぱい風になびいているとなんだか面白いし、ごつい人形はかっこいい。
でもなんだかこの雛壇は見ていて楽しかった。
触ると壊れそうだからじっとみるだけだが飾られている人形の独特な顔とか、服とか。
とにかく目が引き付けられる。
「なあ、これいつまでかざってあるんだ?」
また見たい、そう思ったのだが。
「今日までよ」
「え、なんでだよ!?」
「今日までにかたづけないとおよめにいきおくれちゃうんだって」
「えー」
残念だなと思ったが、いいことを思い付いた。
「リタ!!」
「なによ」
「いきおくれてもオレがよめにもらってやる!」
だからもーちょっとだけ、駄目?
我ながらいい案だと思ったのだが。
「ばっ…」
リタのチョップで思わず涙が出そうになる。
その時のリタが顔を真っ赤にしていた理由はオレにはわからなかった。
***
2011ひなまつり小説。
ちびユーリ+ちびリタな話でした。
ちなみに我が家の雛壇はいつも4日の朝に片付けてました。
…わたしは嫁にいけそうにないですね!
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