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- ナノ -

02





「丸井くんだ」

「有坂、今から部活?」

「ううん、卒論のゼミ代表になっちゃったからその準備」

「あ、そっか」


うちの学校はエスカレーター式。

中学を受験したから、高校は受験がいらない。
その代わりに卒論と名のついたものが存在する。

大学みたいなかっちりしたものじゃないけどパソコンとプロジェクター使って発表する。


有坂は美術系ゼミの代表。


因みに俺もゼミ代表でテニス部は幸村くんと柳、柳生が代表だった。

テニス部は練習の妨げにならないように授業と自宅で全部終わらせるようになっている。



「代表、なると思ってなかったから準備してなくて」

「俺もそれでちょい焦った」

「ま、丸井くんは、何の発表?」

「お菓子。甘いもん好きだからっつー理由なんだけどよぃ、調べるの楽しくて内容充実したんだよな…」

「美味しそう、発表楽しみにしてるね」



はにかみながら、小さく手を振る有坂に俺も手を振って部活に急ぐ。


スキップしそうな勢いだった。


だって、こんなに好きな子と長く話せたんだぜ? 嬉しくもなるじゃん。

幸村くんには悪いけど、そこは遠慮しない。話すのは個人の自由だ。


男が人一倍苦手でここまで話してくれるようになるまで半年以上かかった。未だに視線は泳いでるし、一回も目を合わせたことないけどあんなに長く話せる日が来るとは思わなかった。



いやー俺の努力も浮かばれるわ。





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