初めてあったときのあいつは
白くて
儚げで
何より美しかった。
手を伸ばしても、掴むことはできなくて
俺はいつも、膝を抱えて泣いていた。
背中を向けたら、ふと振り返り、
ふらりふらりと華麗に惑わす。
手のひらに舞い降りたそれは―――。
五月の桜
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