「本当に大丈夫なの?」
彼…雲雀恭弥は、いかにも不満だと言いたげな顔で俺を睨みつけた。
「大丈夫だって!」
俺はそんな雲雀に満面の笑みで答える。
あ、自己紹介がまだだった。
俺は山本武。並盛中の二年で、野球部のエースで四番だ。
雲雀は俺の通う並盛中の風紀委員長で、実はこの学校や数多くの不良を牛耳る最強の存在。俺にはとても遠い存在だ。
「あ。ちなみに歳は俺よりいっこ上な、な?ヒバリ」
「…だから、僕は好きな年齢だって何度言ったら分か」
「お、着いたぜ!」
「…咬み殺す……」
俺達が今何をしてるのかと言うと…並盛旅館に来ている。
ヴァリアーとのリング争奪戦以降、あまり接点のなかった俺達が、お互いの想像をはるかに越える関係となっていた。
そう、俗に言う
『恋人』と言う関係に。
話が大分逸れたが、リング争奪戦で死にかけていた俺を助けてくれたお礼にと、今日は俺が強引にでも誘ったのだ。
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