こねた置場 | ナノ



こねた置場
ろくなもの置いてない。
基本水木たまに他

▽埋松/現ぱろ
例えばね。伸ばした腕は何十cmか、指先が君の肩に当たっている。
「なんだよ」
突き放すように、しかし拒むつもりも全く無いのを僕は知っている。促すように、突き放す。
「どの程度なら君に近付いて良いかって思ったんだ」
物理的じゃなくて、心が。撫でられるのを嫌うのも、抱きしめられるのを喜ぶのだっている。なかなか難しい、距離の把握。
「もしかしたら触るだけで壊れているかも知れないよ?」
「相変わらず寒いこと言うな、お前は」
一歩二歩、近付いて来る、すれ違うふうに反対を向いて、真横で止まる。

「んなこたァわからなくて結構」
「ふふ」


2011/01/31 01:45


▽↓こたえあわせ
背伸びしすぎたんだよきっと、ほら落ち着いてお茶でも飲んだら。

遺体は消えたわ。もしかしたら落ちたのは、夢?

酸っぱいのかな、その劇薬の味は。

(なにも横ならびが全てじゃあない)


2011/01/27 09:51


▽ことばあそび
その願いにアテは?ありはしないけど、ない訳でもない。
(○○なんて泡沫だ)

背中を押された 足元は消えた おちた。
(なんて○○な話!)

その塊は、もう、動かない。隣には瓶が転がっている。
(死因は○○だろうね)

問:空欄に共通して当て嵌まる読みを答えなさい。(各?点)


2011/01/27 00:47


▽ゆめにっき/窓付き
最低よ最低よ最低よ、呪詛のように頭の中で渦巻いている。なんでなの、わからないの。道徳がなんだとか善人になりなさいとか、授業に組み込まれてなければ思い付きもしないのよ。お面引っぱがしてやるわ。ずるずると沈む思考回路の回廊に迷い込む、周りの華やかさなんて色眼鏡。その眼鏡を外すのすら怖い癖に。一緒なんで御免だわ、勝手に視力落としてしまいなさいよ。


2011/01/23 12:37


▽松下と佐藤※某妖パロねた
鼻先が冷たい。そう言えば手足の先も随分冷えている。人のかたちとは案外寒さに堪えるようで、それでいて妙に敏感だ。吐く息が白いのは、同じだけども。
「寒いでしょう」
「寒いよ」
素足で外に出ると一層冷やっこい「お戻りなさいな」冷たいでしょう、折角の毛並みが泣きますよ。尾を揺らしながら寄ってくる、ふさふさの、尾。
「これでいいんだよ」
柔らかな毛皮より、しなやかな皮膚がいいんだ、伝わる冷たさとざらざらとした砂の感覚が。
「散歩でもしよう、」
仕方がないですねぇ、目の前の狐が息を吐く、それはやはり白かった。

松下→人型(稲荷狐の子)
佐藤→善狐(稲荷に仕える狐)
ベタ設定も楽しいもんです


2011/01/23 12:26


▽誰かと誰か
ねえ、何を怒っているの。きょとん、何も知らないような顔をして手を伸ばす、振り払う。
「分かっている癖に」
「なにを、」
怒っているわけでも、別に殴りたいわけでもない、無理に腕を掴んで ぐっと顔を寄せてくる、逃げられない、距離感。

「僕が知らないふりをしてること?」

本当に不愉快だ。


2011/01/12 23:49


▽松下と佐藤
私が彼をおとした時、私は政府の救世主になりました。
時が僅かに過ぎて、私は元救世主の慈愛に気付き、
時が遥かに経って、私は今彼を引き揚げようとしている。

僕が彼に消された時、地獄の門を叩いていた。
それから少しばかり経ち、元部下の後悔と願いを知り、
時は行き過ぎて、彼とすれ違い様に淀んだ世界に立っている。


2011/01/08 23:09


▽ゆめにっき(ねたばれ?)/ 窓付き
不自然に置かれた目の前の階段へ足を乗せる、ゆっくりと重心を乗せる度に足裏に伝わる外気の冷たさ。
最期まで世界に似ているのね、開放感から来る喜びに混ざる一筋の何か。従いたく無かった。理不尽に身を投げるほど浸りたい世界じゃ無いの、だから。

(わたしは自分の世界にいくわ)

最後の一段は、最期の呼吸。すぅと取り込んだ空気は酷く苦く、そして微かに甘かった。


2011/01/04 07:12


▽クリスマス/佐松
赤がちらほら、赤と白と緑の混ざり合ってあちらこちらで笑っている。いい子には贈り物をあげましょう。「いい子は早く寝ましょうね」「大人の言うことは守りましょうね」「サンタさんが来てくれないよ!」
街角で親子が笑って、おとうさあん抱っこ、大口を開けてねだって大きな袋を抱きしめている。寒い寒いと、イルミネーションに混ざって人間ディスプレイ。
「靴下出して寝ないんですか」
「なんで」
「なんでって」
欲しいものもないのに、冷えた布団の中から漏れた声に言葉をなくす、ああ自分が小さな頃あんなに憤っていたのに。生え変わりなのか所々ぽっかり欠けた歯を見せて笑っていた子と重なる、目の前の少年の背中。しょい込みすぎて丸まっている背中は今膝を抱えて。背骨が、軋む。
「欲しがってなんてない」
押し付けるだけ。ぎゅうと押し潰してしまおうとする「いい子」のレッテルを顔にはりつけて押し付けられた箱の中身は玉手箱だから。剥がしたから、悪い子になってもいいんだ。
少しだけ出した顔の鼻の頭が冷えて赤くなっている、両手を頬に伸ばして「悪い子にもあげますよ」
「押し付けか」
「押し付けです」
お父さんにもサンタさんにもなれない悪い大人からの贈り物、きっと少しは甘いといい。


2010/12/25 22:53


▽鬼太郎※いたい
ぐずりぐずり、形容しがたい音を響かせ視界が揺らぐ、長く伸びた前髪の隙間から仰ぎ見る世界は音と共に、ぐらりゆらり。
はて世界は何色だったとかシャツはこんなに冷たかったかとか、どうでもいい自問自答を繰り返してはぐらりぐらぐら。ブレる視界を定めたいとふと思う。酔いそうだ。
じゃあ定めるとしようか。

(反撃開始)


2010/12/23 16:58


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