渇望

明×凛(?)
※未来のお話です
※リバ表現有(雰囲気は完全に明×凛)なので苦手な方はご注意を



俺には今欲しいモノが有る。
特別必要なモノじゃ無いし、男ならあげると言われても正直困るヤツの方が殆どだろう。

でも
俺はどうしてもソレが欲しいと思うんだ。




俺と凛の寝室。
股がる俺を見上げながら困った顔をする凛。

「あの……明さん?」

「ね?良いデショ?」

顔中にキスを振らせてから唇にも触れようとするけれど
寸での所で小さな掌に遮られる。

「いや……嫌な訳では無いんですけど………その…良いんですか?」

空を映した様な青い瞳が益々困惑した色を浮かべて伺う姿に苦笑が漏れる。

「良いも何も……俺が欲しいんだよ。
凛の男としてのハジメテ」

「んっ……」

遮る小さな手を外し、耳が弱い凛に官能的に囁くと、下に有る華奢な体がピクリと跳ねる。
そのまま寝間着の浴衣に手を差し入れようとすれば、その手を掴まれて静止させられる。

「あの……僕は別に明さんと居れるなら…その………童貞だとかそんなのは気にならないんで……あの……」

しどろもどろにあのそのを繰り返しながら検討違いの事を言ってくる凛。

俺が一生ネコとして過ごす凛を気にしてそんな事を言ってくると思ってるみたいだけど、それは違う。

確かに俺はこれからも凛を抱き続けるし、位置交代もこれが最初で最後の予定だ。
勿論、俺自身はタチ役しか知らない体だし、ネコに興味が有る訳でも無い。

でも、タチだとかネコだとかはそんなのどうでも良くて
只、凛の全てが欲しい。

餓えや渇きにも似たこの欲は際限無く、凛の心も体も全てが欲しくて堪らない。

初めは、凛を抱いたダケで凛の全てを手に入れた気になっていた。
その臆病で卑怯で、なのに強くて綺麗な心と俺の心を重ねて
俺が強く抱き締めると折れてしまいそうな程に細く小さな体を掻き抱いて貫いて
それだけで全てを手に入れた気になっていたけれど、初めて肌を合わせた時から小さな渇望が姿を表した。

初めは、その餓えや渇きは想いのまま男として凛を求める俺の欲求だと思っていて
でも、いくら抱いてもその渇望や欲求は無くならず少しずつ肥大するばかりで
自分でもわからないその欲に疲弊しだした頃、漸く今までの考えと検討違いな欲求を抱いていたのだと理解した。

その決定打は凛の左肩に有る蝶の刺青。
俺のお揃いに成るように彫って欲しいと願った時
弱々しい凛が見せた強さに強烈に男を感じた時
確かに俺の喉が物欲しげに鳴ったのだ。
それと同時に頭の中から声が聞こえた気がした。

『ホラ、マダ彼ノ「全テ」ハ貰ッテ無カッタダロウ?』

と――――。

俺は、凛の全てが
それこそ男としての凛も手に入れたいと思っていたのだ。

「だから、この1回でも良いんだよ
そしたら俺は本当に凛の全てを貰えるし俺の全てをあげれるから
だから……今夜は大人しく俺に食われてね?」

そして、俺は凛の両手を布団に縫い付けてその小さな唇に食らい付く様に口付けた。


end


受け攻め逆になろうが凛は喰われる側。
ちなみに最中も啼くのは凛です(笑)
明は最初からこういったキャラ設定にしてたんですよ。
凛が好きで好きすぎてタチネコ関係なく全部が欲しいって欲求の持ち主。
これでもっと病んでしまえばコンチータ的になります(←ボカ口ネタ自重!!)
でも燦はそこまではしたくないので……

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