「杞憂」






「今日は、何をしてたの、ランピー。」

棺桶の中にいる君に問う。
そっと、血まみれの君を起こさないように。
傷だらけになった身体を、これ以上僕のとげとげで刺してしまわないよう
寄り添うように座って、ちょっとだけ棺桶のフチに手をかけて彼に囁いた。


ねえランピー。
今日は一体誰と一緒にいて、誰と遊んで、誰が死んで誰が殺されて一日が終わったの。
そして君は、今日、どうやって死んだのかなあ?
いつもの、君らしいドジで死んじゃったのかな。それとも珍しく誰かに殺されたりした?



君はタフだから、皆が死んだあとだって、しょっちゅう最後まで生き残っていたりするけど、今日はどうだった?


「今日も楽しかったのかなあ?ランピー」


あのね、ランピー。
僕は、今日は死ななかったよ。だからこうして、ランピーのそばにいて眠れる。
夜が明けたら君はいないけど、それまで僕はその間ずっと君と一緒に過ごせるんだ。
その幸せをかみしめながら、僕はそうっと目を閉じて、棺桶の中の君の冷たい掌を握りながら、語りかける。


「ねぇ、ランピー。本当は僕、生きるのも死ぬのも、毎日君と一緒ならなぁって思うの。もっともっと、ランピーと一緒に時間を共有したいなぁって思うんだよ。」


そうやって僕はいつも、夜明けまで目を覚ますことのない君につぶやく。
だって、君が目を覚ましているときにはこんなこと言えないから。


「僕、臆病だから…ごめんね。僕、怖いんだ、君のこと…ううん、君に嫌われちゃうことが。」


だって、君が生きているときにこんなことを言って、鬱陶しいなんて思われたら、僕は悲しくて悲しくて、次に死んだらもう生き返ってこられないかもしれないよ。


だからこうやって、君が、僕の言葉が絶対に届かない場所にいる時・・・・
また君が君のベッドでいつもの日常に目を覚ます前に
僕だけの思いを伝える。


あさましくってごめんね。
汚くってごめんね。だけど。


「ごめんなさい。大好きだよ・・・ランピー。」


明日も、いい夢を見よう。



対作品*このままずっと永遠に


END.



フレイキーは、誰かに殺されたランピーのそばにいるっていう感じで。
なんというか、フレは全体的に自分に自信がないので、自分でランピーを殺しちゃうのもちょっとあれなんじゃないかな、とか思って
自分の言ってることが届かないランピーにだから、本当のことを言える弱くてずるい、かわいいフレイキーがかわいい(笑)

ちなみにタイトルは、しなくてもいい心配をたくさんしているフレイキーのこと。

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