3.







ナルトが可愛過ぎて言葉の内容をよく理解してなかったけど、
つまりは、私が先程考えてた、
前世の記憶云々の事なんだろうなとは推測がつく。



あ、私に隠されてたのが悲しいとか…?
そんなオイシイ……、っじゃなくて、
そこまで私自身には興味が無いだろなあ。


俺の事は知ってるくせにお前は話さないのかよ、って感じかなあ?
でもそれだとあんな恥ずかしそうに言わなくてもいいけど……。


まあ、知っておいて欲しいとは思ってたし、全然喋れるんだけど。

こう、喋んなくてもいいような所を話さないと話が合わないんだよねー…。


死神さんの事も話すべきなんだろうか・・・。



じゃないとこの家の説明が出来ないしね。



うーん……。


私は考え込み、またナルトを見た。

今までの様子から、きっとキャラじゃないのに
勇気?出して私に質問してきてくれたんだろうなぁ。



今だって、穴があったら入りたい状態で、
顔を紅くしてる。


……………うん、
ナルトが何でここまで恥ずかしいのかは分かんないけど、
恥ずかしい思いを我慢してまで私に向かってきてくれたんだから、
私だって、自分の都合ばっか考えないで、
ちゃんと答えなきゃだめだよね?



私はよく分からない覚悟を決めて、
話そうと決意した。




私がいつまでも答えないから、何だか不安そうになってるナルト。

そんなナルトも可愛いけれど、
そんな姿はあまりして欲しくないな。


不安、哀しみ、憎しみ、はこの子には似合わない――――。



「……ナルト、私の話を信じてくれるか分かんないけど……、」

「――――信じる。」



「っえ?」


「―――俺は、麻夜を信じる。信じ続けると決めた。
だから、麻夜が言うことは例えどんな奇想天外で有り得ない話でも、信じるさ。」



――――お、オトコマエ………。



初めはナルトの侠気に圧倒された。

けど、私を信じる―――?
ナルトが、私を信じてくれる――――?



やばい、私は此処で死んじゃうんじゃないかって位に幸せだよ……。



この信頼だけは、例えどんな事があっても裏切りたくない。
裏切ることの出来ない気持ちだよ。



「信じる。」って、誰かに言われたのはとても久し振りな気がするや……。



「……ありがとう、ナルト。
すごく嬉しい。
私も、ナルトの事を、何があっても信じれる力になった。」


そう、涙を流しそうになりながら答えたら、
ナルトはとても意外そうにしていた。



「………俺を、信じる…力?」

「そう。―――私は、ナルトに何があっても信じれると思ってた。
でも、それは私の独り善がりで…。
だから、ナルトが私を信じるって言ってくれた時に、
私はもう君を信じることに躊躇うモノが無くなったの。
私の力になるの。……だから、ありがとう。ナルト。」



私はもう泣いてた。
我慢が仕様がないくらいに、涙は溢れてきてた。


何で泣いてるのかは分からなかったけど、
この涙は、温かくて、
私が幸せであるというのを証明する為のモノの様に感じた。



私が、話をする前からおいおいと泣いてしまっているものだから、
ナルトは戸惑っていた。


困らせてごめん、
そう言いたいのに、むせぎ声に邪魔されて言うことが出来ない。



そうしていたら、ナルトが私の側に寄ってきて、
ぎゅっと抱き締めてくれた。



「〜〜〜〜〜〜っ!!」



ど、どどどどっ、どどどうしよう…………、
ナルトの腕の中だよ〜〜…!!


金の柔らかい髪が、ふさっと私の顔に当たる。
髪からは、私も昨日使ったシャンプーの匂いがした。


子どものくせに力強くて、ぎゅうっと腕の中に押し込められる。

身体に伝わる体温はとても温かかった。




私はそのナルトの行動に、余りにも吃驚したもんだから、涙はそっくり逆走して、止まってしまった。




「…………ありがとう。もう、止まったよ。」


暫くして、ひっくひっくといっていた涙が出た時の特有の痙攣も止まって、
漸く落ち着いた。
そして、名残惜しいものの、ナルトの拘束から離れようとする。


私の言葉を聞いて、ナルトが腕を弱めたので、
私はそっとナルトの胸を押して、
その温かい温もりから離れた。



―――名残惜しいけど……、これ以上抱きすくめられてたら、
私の心臓がもたない………。



バクバクと大きく脈打つ心臓に、そっと手を当てて、
落ち着け。落ち着け。と念じた。
まあ、効かないけどね。


ちらとナルトの方を見れば、
まったく平常にしているのがなんかムカついた。











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