You Copy?



『………』

「………」

『………』

「あの、雪子殿…某の顔に何かついて…」

『…真田くん、明日2時間、私とカップルにならない?』

「………へ?」








「真田…そりゃDateに誘われてんだよ」

「!?!?!?」

「Coupleってのは恋仲の男と女ってことだ。いい度胸してんなぁアンタ」



ピリピリと政宗殿の視線が痛い、隣の長曾我部殿の視線も痛い、佐助も目が笑っていない



「ま、待たれよ!某と雪子殿はそのような−…!」

「当前だろ!雪子と付き合うなんて許してねぇからなっ」

「黙れ兄貴代理。解ってる、が、雪子から頼まれたってのが気に食わねぇな」

「姫さんが大将に頼んだってなら邪魔しないけどね…どこ行くの?」

「…聞いておらぬ」



明日、時間を限定しての恋仲。いったい彼女は何を考えているのか

俺は…



「…HA!じゃあ、敵に塩でも送らせてもらうか。オレがDateでの振る舞い方を教えてやるよ」




……不安でござる








『よし、真田くん。準備でき…て、なにその格好』

「っ…へ、変でござろうか」

『いや、真田くんがYシャツとか珍しいなって。うん、似合ってるよ!』

「〜〜っ」

『…でも、ボタンが一個ずつずれてる』

「!?!?!?」



可笑しそうに笑う雪子殿が、食い違った釦を直していく

政宗殿の助言…でぇとにはきちんとした着物で臨むべし!この時代での正装はコレだと聞いた



『よしっいいよ真田くん!じゃあ行こ…』

「え、あ、ま、待たれよ雪子殿!」

『へ?』

「…扉は、某が開けまする」




女子は男がえすこぉとするべし








「雪子殿、ここは…」

『新しいケーキ屋さん。ずっと来たかったんだよね!だから真田くん、手を繋いでっ』

「なっ…!!?」

『すみませーん!2時間バイキングお願いしますっ』



…ばいきんぐ?

店の前までやって来るくと突然、雪子殿に手を掴まれてしまった!そして、その手を店の女子に見せつけ…



『カップルです!』







『ここね、食べ放題があるけど女の子かカップルの2人組限定なの』

「そ、それで某を…?」

『真田くん甘いもの好きだし。たくさん食べるから元もとれるしね!』

「そうで…ござるか…」



苺の乗ったそれを幸せそうに頬張る雪子殿

俺も机に並んだ大量の甘味から同じものを選び口にする…が、美味いと思えなかった



「…で、でぇとではなく…甘味のための代役であったか…」

『ん?』

「い、え…」



思えば俺を誘う理由など見当たらなかったではないか

日頃から買い物や外出に誘われるのは、石田殿や佐助ばかり…雪子殿の心意を読み取れぬとは!



「某は未熟でございますお館様…!」

『えぇー…真田くんに乙女心は読めないよ。むしろ読まないで』

「しかし某も政宗殿や佐助のように……は?」

『あ、そっかそっか。真田くんはデートのつもりで来たんだね』

「!?!?!?」



いつもと変わらずフワフワと笑う雪子殿、だが、それはつまり…!



『全部口から出てたよ。なんかおかしいと思ったら、政宗さんの入知恵?』

「…申し訳ありませぬ」

『ふふっ、いいよ。だってデートだもん』

「っ…い、いや、これは甘味のための代役であって…でぇと、ではなく…」



段々と小さくなっていく声でも、雪子殿は何も言わず聞いてくれた

これは、俺の、自惚れであって…石田殿や佐助に都合がつかなかったのでは?



『あは、はじめから誘うなら真田くんに決めてたよ』

「っ−…!!?ま、まことでござるか?」

『だって、真田くんとなかなか外出できないもの。いつも周りに誰かが居るし』

「………は?」

『政宗さんとか佐助さん、元親もそうだね。真田くんはいつもみんなと一緒に居るから誘いづらいよ』



あ、次はこれ!と嬉しそうに甘味の皿を取る雪子殿。これは確か、ちょこけぇき。対する俺は完全に動きが止まっていた

…雪子殿は、日頃から俺を、誘おうとしてくれていたのか?




『美味しいっこれ食べたらチーズケーキを…』

「雪子殿っ!!」

『んぅっ!!?え、な、何?急に大声出して…』

「ま、また…誘っていただけるだろうか?」

『ケーキ屋に?』

「うむ、できれば…他の者が、居る前で」

『え?でも、みんなで遊んでる時とか割って入るの迷惑かなって』

「かまいませぬっ!」

『んー…うん!じゃあ遠慮なく。ケーキ以外でもいい?』

「もちろんっ」



さっきまでとは打って代わり、口にしたけぇきは甘く広がった



「美味でござる!」

『よし、いっぱい食べるよ真田くん!残り時間はたっぷりある!』

「任せよ雪子殿!」




誰からも邪魔されぬこの時間。残りがたっぷりあるというのなら

けぇきの向こうで幸せそうに笑う雪子殿を、ここに留めておいてもいいだろう






「あ。あのお姉ちゃん可愛くない?」

「弟くんもカワイイー」

『っ!!!?』
「っ!!!?」





20130118.
キリ番250000蛍火様
幸村と甘味デート

夢主兄は秀吉さま似→茶髪→イメージカラー赤→…幸村?
たぶん一番姉弟に間違えられると思います^^


mae tugi

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