You Copy?



ドンドンドンッ



『うわぁっ!!?え、ちょ、何事っ!?地震っ!!?』

「いつまで寝ている気だ貴様はっ!!!」

『あ…元就さん…?』

「早く降りて参れ、休日とはいえ怠けるでないわ」

『はい…(部屋の外から起こすところは紳士だなぁ…)』





「女が寝癖を付けて歩くでない!顔くらい洗え!」

『いたたた!ちょ、髪は引っ張らないでください!』

「・・・・・」



朝…と昼の間くらいに毛利が雪子を起こしてきた。休日くらいゆっくりさせりゃいいのに、とぼやいたら「甘やかすと癖になる」らしい

あいつの髪を掴んで連れていくが、ちゃんと並んで歩いてるから抜けはしないだろう



「何見てやがる長曾我部…Ah?毛利と雪子か?」

「おう、雪子を起こしてきたらしい」

「…毛利だけ戻ってきたぞ」

「風魔に何か言ってやがる…あ、風魔が台所行ったな」



…雪子の朝食を温め直し始めた






「馬鹿か貴様は、袖がけちゃっぷに付くではないか!」

『うわ!え、あ、ごめんなさい…』

「ええい、動くでないわ、そのまま待て」

「「・・・・・」」

「…何ぞ貴様ら」

「い、いや…」

「続けてくれ…」



遅めの朝食を食い始めた雪子だが、まだ寝ぼけているのか危なっかしい動作が多い

茶をこぼしかけたり袖を汚しかけたり。そのたびに隣の毛利が世話をやいていた。俺と伊達はそれを眺めるだけ



「(おい…毛利のアレはいつからだ?)」

「(俺が知るかよ。最近、昼間は雪子がいないからな…)」

「(こいつらいつも朝早いから初めて見るのか…つか、従者みてぇだな)」

「(従者というかガキの世話する親だろ…!!)」



俺たちがボソボソと話している間も、毛利の世話焼きは続いていく

ときどき驚いた風に二人を見るが、こいつらは何に驚かれているか解っちゃいねぇ。無意識かっ



『…ん、ごちそうさまでした。今日の朝食担当は片倉さんですか?』

「よく分かったな、小十郎の味だと」

「ふん、奴の味付けは薄すぎるわ。食べた気にもならぬ」

『まぁまぁ元就さん、人の好みですから。じゃあ食器片付けて今日はお布団干しますね』

「…待て」

『はい?』

「この皿に茶碗を重ねるでない。けちゃっぷが付いてさらに汚れるではないか、頭をつかえバカめ」

『す、すみません…』






「(おぃぃぃ!!今のは母親の発言じゃねぇか!?つか、毛利は皿洗わねぇだろ、そのくせ知識はある、まさかあいつ台所に立…!)」

「(Shut up!テメ、それ以上言うな!戦場で毛利と会った時どんな顔して戦えばいいか解らなくなるだろ!)」

『?政宗さんと元親、仲良いですね』

「阿呆同士うまがあうだけよ。それよりも早く干さねば日輪の頃良い高さに間に合わぬ」

『あ!そうですね、急ぎます』







『三成、お腹減ってない?』

「いえ、特には」

『そっか…前田が一人旅してきたお土産にお饅頭があるから、お茶しようかと…』

「ご一緒します!!!」

『あ、三成はお饅頭好きなの?じゃあ一緒に食べようか』

「・・・・・」



石田の目的は饅頭じゃなく明らか雪子なんだが…まぁ、この際はどうでもいい。それは置いといて、だ

雪子の後ろに付いてトコトコ台所へ向かう石田だが、その足を毛利が引っ掛け盛大に転んじまった



「何をする貴様ぁぁぁあぁっ!!!!」

「黙れ石田。雪子、貴様は大学のれぽぉととやらがあると言うておったな?」

『ぎくっ』

「…終わる見込みはあるのか」

『いや…おやつが終わればするつもりで…って、ぎゃぁぁっ!!すみませんんんっ!!!』



毛利が手刀打ちの構えを見せれば、雪子は条件反射で頭を抱え縮こまった。最強じゃねぇかあの技

そんな奴等を伊達と共に眺めていたら、先にれぽぉとってやつを片付ける話で落ち着いたらしい

雪子は毛利に耳を引っ張られながら自室に戻っていく




『三成、ごめんねっ!!早めに終わらせて戻ってくるからっ』

「は、はい…!!」

『いたたたっ!!!ちゃんと終わらせますからぁっ!』

「・・・・・」

「・・・・・」



居間には俺と伊達…そしてしょんぼりと項垂れた石田が残された

きっと雪子は毛利の監視つきで夜まで監禁だろうが…ふとある疑問が浮かぶ



「石田、いいのか?」

「………何がだ」

「雪子、毛利が連れてっちまったぜ?」

「そういや…オレが雪子に触るだけでキレるくせに、毛利はいいのか?」

「何を言う、あれは…」



返事をしかけた石田だが、その先がなかなか出てこない

あれは…何だ?

俺たち三人は同時に首を傾げる



「確かに、貴様らが雪子様に触れれば瞬時に斬滅斬首の許可を請うが…毛利はないな」

「テメェ、毎日俺らの首を狙ってんのか」

「当然だっ!!貴様らは雪子様を獣のごとき目で狙っているではないかっ!!!」

「・・・・・」

「・・・・・」






「長曾我部、オレは今日解ったことがある」

「奇遇だな、俺もだ」



すでに空も暗くなった頃、ようやく雪子は下に降りてきた。隣には毛利。二人の姿を眺めながら俺らはある結論に至る



「石田が毛利に攻撃しねぇのは、本能的に無害だって解ってんだ」

「That's it…オレは雪子に触りたくて近づいてるしな」

「…正直すぎるぞ。誰も文句言わねぇのは、毛利の位置を狙ってないからだろうなぁ」

「…保護者の位置か?」

「そうそう、ありゃ男としては微妙な位置だぜ?」

「確かに…」





『…今日はなんか、いろいろお世話かけました』

「ふん、貴様が要領が悪いから仕方なしにやったまでぞ」

『すみません…私、元就さんがいなきゃ何もできないみたいで…』

「…阿呆の貴様の世話ができるのは我くらいよ」

『…………』

「…………」

『こ、この言い方、なんか照れますね』

「…………ふんっ」




前 言 撤 回






0925
キリ番23456
世話を焼く元就/ゆみ様

まじオカンになりましたすみません←
でも我が家の元就様はこんなです


mae tugi

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -